書物蔵

古本オモシロガリズム

ダメ管理者の誕生

スタッフでそれなりに有能なニンゲンがライン職に座ると、とんでもないことが起きる、ってのは、日本じゃ意外と知られてないねぇ。これは,有能な(になった?)スタッフ様や,ラインとスタッフを混同するアフォ館長さま方への苦言じゃ。
これについては、じつは図書館本にはっきり書いてある。

(優秀なスタッフをラインに据えると)しばしば“一人の無能な管理者を得るために一人の優秀な専門職員を失う”ことになる

んだって(×o×)
倉橋英逸「人事管理」『図書館経営論の視座』日外アソ 1994 p.22-49
これは,予告記事「外から見える人を中から見ると」でも再論する予定だけど,人事管理上,きわめて重要な観点。
もちろん,プロイセン参謀本部にはじまるスタッフ職の本来の機能について認めるのはやぶさかでないし,一方で,帝国陸軍の参謀のように,ラインの決定権をうばっておきながら負けが込むとトンズラこくという逆機能もある点もわかったうえで敢えて言う。
ラインとスタッフは職能が違う。

資質の違いは交換できない

これについては何年も前,知人と論議をしたことがある。お題は,

スタッフとして優秀なヒトと,さして有能でないただのヒト。どっちがラインに向いてるか?

知人は当時,

さすがに凡庸なヒトをラインに据えるわけにゃいかんでしょう。

と。
わちきはすかさず,

両者は「質」が違うので,この場合は,だたのヒトをラインにすえるべき

と答えたね。
しばらくして同じ人にあったら。

あなたのほうが正しかった。

と賛同してくれた(^-^*)
とにかく図書館の人事管理については,まともな論文が上記,倉橋氏ぐらいしかない。ありもしない専門職については山のようにあるのに。
ライン・スタッフ問題については予告記事「総務はラインかスタッフか:酒井悌の憂鬱」でも再論予定。