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古本オモシロガリズム

『ベルリン陥落1945』の感想

『ベルリン陥落1945』読了。
全編,ソビエト軍の軍事的侵攻をおいつつ,ドイツ民間人の苦難を淡々と描き出しているルポ。強姦に焦点。
軍事史オタクだったわちきの印象にのこったのは…
部下にまともな兵力も授けず,美辞麗句まみれの(非合理的)指令を出しつづける将官時空を超えてどこにもいるものだなぁ(どこ,とは言っておりませんよ〜 どことは(・∀・))。
もちろん総統の非合理的行動が頂点にあるからなんだけど,それを(結果として)追認し続けたヨードルやカイテルなどの元帥たちの罪もあるな〜
けどバカ殿を保身のため家老達が支え続け(て全体の状況が悪化する)ってのも,いつでもどこでもあることですな〜(って,いま,ここって言ってるわけじゃありませんよ絶対に (・∀・) いやほんと。ゆめゆめ殿とは誰かなどと夢想だにせぬように。)
本来のドイツ国防軍が理性に満ちあふれた道徳的団体とはおもわんが,もちっと「合理的」に動ければ,もっと民間人の被害は少なかった…
あとは,ベルリン最後のケーニヒスティーゲル(タイガー2型戦車)のこと。ナチ重鎮のマルチン・ボルマンの脱出のために北へむかい対戦車砲にやられたとある(画像はわちきの乗ったタイガー2。瓦礫と化した国会議事堂前じゃ (・∀・) )
ベルリン動物園の防空塔も。これなぞ宮崎駿が大好きなものだね。
解説は蛇足。とくにこの本をチャンのレイプオブ南京と同様の意義があるとしているが,むりに結びつけるのはむしろこの本の価値を下げることになるのでは。