書物蔵

古本オモシロガリズム

古書組合会報から図書館史をひっぱり出す

上記会報は,戦後のが一部だけ国会図書舘とか一部大学にあるだけで,戦前のはNDL-OPACにもWebcatにもない(^-^*)
No.50(1952)に,

中井正一
国立国会図書舘長,日本図書館協会理事長である同士は胃癌のため薬石効なく十八日午前四時五十分渋谷区向山町の自宅で死去,五十二歳,十九日密葬の上廿五日築地本願寺で盛大な告別式が行われたが同氏は古物営業法改正にも深い理解と同情を持ち,常に率先して支持声援を与えられた。全連からは市川専務理事が御自宅へ伺って霊前に香華を供え懇ろに弔意を表した。同氏はなお壮齢,将来同氏に須つ所多かつたのに急逝をみたのは実に痛惜の至りである。(p.11)

今,同様の職にあるものが死んでも,古書業界が痛惜するようなことはないだろう。古書業界と図書館界というのは,昔はもっと密接な関係だったらし。
おなじ『機関誌』vol.3, no.6(通号No.20)(1949.7)には,これを裏付ける記事が。

古本屋が担わされる課題 文部省社会教育局 武田虎之助
(図書館新設には古書業界の協力が不可欠,としたうえで)これ程文化的に重要な仕事をしている古本屋が行政的取締まりの対象としては,古物商として扱われて(中略)今度取締法が改正強化されるという当局の方針に業者がうろたえているという噂を聞いて,驚いた(後略)。
同法が成立して,その儘古本屋に適用せられると仮定したならば,どうであろうか。図書文献の集散配置換の軸としての働きなどは以っての他で,国家的な文献対策も,この一角から崩れ去るであろうということを,おそれるものである。
視野を変えれば,図書文献を個物という店からのみ,取締の対象とすることに異論はあり得る。とは云うものゝ行政組織や立法技術画tきに,一応避けられない枠がある筈で,此際は同法案起草者の立場を汲んで,命令的措置に委ねてよいのではあるまいか。業者側は直ちに図書文献の特殊性と,従来の扱方を当局に説明して,命令の立案起草に手遅れにならないように,努力すべきである(後略)。

うん,きわめてマトモ。さすがに図書館官僚のひとりなり武田虎之助

本は如何に読むべきか / 金森徳次郎. -- 至文堂, 昭和27. -- (学生教養新書)

ついでにこれも拾えた(^-^*) 200円
実は初日じゃなかったからあんま期待してなかったのだけど。友人はこの本のことは話してなかったから,やっぱり混んでいると薄いものや,くすんだ黒っぽいものは拾いづらいということなのだなぁ。