書物蔵

古本オモシロガリズム

長いのに散発的すぎるビジネス支援の歴史(素描)

京橋図書館の事例を先駆とみれば。

日本図書館のビジネス支援は1929年11月1日から始まった!?

ビジネス支援図書館協議会に通報しようかすら。でも、ビジネス支援関係者はこんな、当座役に立たん知識には興味がないような気も。日本におけるビジネス支援の歴史というのもオモシロそうなのだが。
パテント・ライブラリーとか、県立川崎とか、置戸町立とか、技術振興とか、産業振興とかいった流れを追っかけることになつのでせうが。
そうそう。よく考えたらこんなオモシロなものもあったのを思い出したよ。

県立が国会の地方支分局になるという陰謀?!

地区科学技術館(『国会図書舘三十年史』p.434-436)

ちょっと見、成功したのか失敗したのかよくわからん事業。これは国会図書舘にあった(主に米国の)技術レポートを県立図書館などへの貸出文庫にして、各地方の産業振興に役立てようというもの。
大阪府夕陽丘図書館に設置(S29.4.1)されたのが始まりで、昭和33年ごろまでに全国10ヶ所の県立図書館などに設置されている。いま北の丸公園にある「科学技術館」とは無関係だよん。
しかしリーダーシップをとってるのは科技庁なのか国会図書舘なのか地元図書館等なのか、なんだかわからんね。形式的にゃあ図書館省に地方支分局を設置するみたいにみえちまうが… 悪辣なり図書館官僚(・∀・)
熱心だったのは夕陽丘富山県立だったらしく、上記記事によれば、富山県立には「科学技術文献利用振興会」が、夕陽丘には「関西文献センター振興会」という利用者団体もあったよう。
でも、「利用が盛んな地区がある半面、いくつかの地区では利用が停滞していることは(略)」(p.436)とあるから、ビジネス支援は、館側や利用者側、時期や環境などによってうまくいかないものも多いということですな(゜〜゜ )
置戸町立など、貸出しだけでない産業振興の歴史がありながら、2004.9に図書館条例が廃止されとるし(図書館雑誌 2005年8月号)、県立川崎なども、業界内みんながホメとるのに、収集予算をばっさり切られるなど、どうにも安定した事業モデルにならなかったというのが戦後の産業振興サービスであったといえるのではなかろうか。
新しい「協議会」の人々も、中枢の人は知っているとは思うけど、そこいらへんのとこに注意して、末永く、市民・行政・企業に支持されるようなモデルをつくってほしいなぁ。
ん? まてよ。

古書籍産業振興事例???

いま思いついたんだけど、千代田図書館でやっとる高級古書の展示即売ってば、広い意味での産業振興かも(゚∀゚ )アヒャ 全日本の出版産業は千代田区に集中しとるからね。

めぐる古書籍 ひろがる文化

というのは、たしか昭和時代の古本屋のモットーだと紀田先生の本にあったやうな気も(^-^;)