書物蔵

古本オモシロガリズム

目次DB

はてな空山さんが

目次データベースのようなものが何故、作られようとしないのだろう。

と嘆いている。
一定程度のクオリティーをもつ目次DBがあれば,そりゃあ便利。というか,むしろ学問をやるうえじゃあ必須といってもいいんじゃないか。
なぜ作られようとしないのか? 図書館トリビア的お答えをすれば,

すでに作られているから

ということになる。なんと,インド人もびくーり(*o*)
これは… 図書館学のハナシをすると,図書目録の「内容細目」のことになる。目録規則用語では「内容に関する注記」のなかの「内容細目」ね。
図書館の目録情報のなかに,目次を格納する場所があるのだ。
でも,図書館の目録ではぜんぜん目次情報がでてこない,という認識をもつのももっとも。だって…
空っぽだから(・∀・)
いや,正確にはごく限られたものしか内容細目を記述してこなかったから,というとこ。
カード目録の時代は,カードをやたらに増やすわけにはいかないから,極力,データ量を減らすよう減らすようにつとめてきたのだ。だから,内容細目をとる本ってのはかなり限られたものだった(具体的には,かなり硬い学術論文集ぐらい)。それにカード目録だと,内容細目にデータを記載しても,それがかならずしも引けるようにはなっていなかった。
という経緯がある。
で…
世はパソコン・インターネット時代。
カード目録なんてものをメンテしてるとこはほどんどない。カードという紙の重力からはなたれたカタロガーは,必要なデータを必要なだけ採録することができるはずになったのだったが… ごにょごにょ(え?聞こえないってか?)
どっかの機関が日本でひとつだけ,きちんとしたデータをつくればよかったのだ。
現在日本で図書のメタデータ(書誌)をある程度たくさん生産しているところ(横流ししてるとこ,じゃないよ!)は,ニッパン,トーハン,TRC,大阪屋,各出版元(books.or.jp),国会図書舘,各大学図書館(NII経由)というところになるのだけれど…
これらのどれかが,きちん一定程度のクオリティーで必要充分な内容細目データを,1点につき一回だけ作ればよいのだ。あとはそこから買うなりもらうなり。うーん,どこがやるべきなのかな〜(・∀・)*1
話をOPAC(検索システム)と,データの話にもってくと,システムには予算がつくしもてはやされるけど,地道にデータを作ることには予算もつかんし,だれも誉めないからねぇ。(書誌データは長し,しかしてOPACは短し

*1:って,目次情報システムについては忸怩たる思い(思い出)がある…(´・ω・`)。