書物蔵

古本オモシロガリズム

キントトさんちで,一式陸攻を

あれっ! トイメンのキントト文庫が開いてる! 夢じゃないかしら…
それに午前中なのになぜだか人が何人も…
まぁいいや,突撃〜
というのも,古書展で買い逃して(見送って),キントトさんとこの棚にならんだら,またほしくなっちゃった本を買わねば,と思っていたのだ。
これじゃ!
図解飛行機が出来るまで / 宮本晃男[他]. -- ワット社出版部, 昭和18
あった,あったよ,まだあった(^o^)うほほーぃ
すかさずゲット。で2500円。
でもたしかこの本,2千円ぐらいで古書展にあったから… だいじょうぶなのかしらキントトさん。もちっと,そう35ぐらいならなやみになやんで買ったかも…
ということで,ちょっとだけ店主さんとお話した。
このキントトさんも業界内ではめずらしく女性店主なのだ。
こんな楽しいほんばかり良く集まりますね,とか,戦時中の本は,本がだせないぶんみんながんばって出してますねとか話す。はじめてまともにお話した。いつもはカウンターごしだから。
本日はどっかの取材で,平日の朝から店をあけていたというわけ。
でもキントトさん曰く

ここ数年,そう五年ぐらいでしょうか。この手の本がすっかり姿を消してしまって

うん,たしかにわちきが古本道にまい進してた10年ぐらいまえは,キッチュな本がもっとたくさんあった気がするよ。
あ,そーだ。やっぱりせどり仕入れるんですか,と水を向けたらば

即売会で買う楽しみは病みつきになりますからねー

だって。うんうん,同感なり〜

それはそうと,この本のお宝度

そうそう,なかみの話。
中は,航空機がなぜ必要か,からはじまって,なぜ飛ぶのかとか工場の話やら,イラスト,写真多数でそれなりにおもしろい。なかでも,大東亜が平和となった暁に敷かれる民間航空路が図示されていたのは初見ですた。
でもでも…
そんなことでは,ないのだこの本の本当のお宝度は。
表紙と裏表紙に

三菱一式陸上攻撃機の組み立て風景がイラスト仕立てになっている!!!

どーして昂奮するのかって?
うん。じつはね…
本文で図示,写真になってるもんはね…
みーんな,英米かドイツの風景なのですわ。
そう! あなたは頭がイイ。気が付きましたね。
日本の軍用機の組み立ての光景ってのは,検閲で出版にはなかなか通らない。
実際にわちきも一式陸攻の組み立てを写した写真,一枚もみたことないよ。
前回,「機体が白い白い」ってさわいだのは,じつは

ジュラルミンの銀色をイラストで白く表現していた

から。白く塗って終戦後に飛んだ終戦連絡機も有名だけど,これはそうじゃないからね。
うーん,このイラストだけで充分めずらしめずらし。