書物蔵

古本オモシロガリズム

 OPACを簡易人名辞典として使う(つづき)

このまえのつづき
ほんのちょっと有名な人がいちばん調べづらい話はしたよね。
ところが,NDL-OPACにはそこいらへんの人の最低限の情報がわかるようになっているのだ。
それは生没年の表示

なにか書き物をした人ならば必ず

あそこはいちおー納本制度で広く本をあつめてる(ことになってる。まー実態は措いといて)。非営利出版なんかなら国内では一番あつまってるんじゃないかなぁ。意外と普通の商業出版物がなかったりする…
で,あそこが作ってる書誌データに著者名標目っちゅーもんがあって,これに著者の生没年が(かなりの割合で)ついているのだ。
たとえば,"武居権内"って人物が「日本図書館学史序説」って本を書いてると聞いたとしよう。この人どんな人なのかな〜とgoogleで見てみると,ほんのちょびっとしかワカラナイ。それこそ,その本を書いたことしかわからない。
で,NDL-OPACを引いてみる。すると…

個人著者標目  武居, 権内 (1904-) ‖タケイ,ゴンナイ

と,その本の詳細画面にでてくるじゃありやせんか。姓と名の区切り,よみだけでなく,生年がわかりましたよ(^▽^)/
ちなみにNIIのwebcatには載ってませんねぇ生年は(よみはあるけど)
つまり,本を1冊だしたことのある人なら無名に近い人でも最低限の情報がわかるのだ。これぞまさしく高島センセがもとめていた「ふつうの人名辞書がのせたがらない人の」簡易人名辞典なのだ。
わちきが何の脈絡もなく「だーかーら,武居権内が何年も前に指摘してるでしょ」とか書いても,読んでるほうはワカラナイ。もちろん「ぶい?けんない?って誰?」てわちきに聞いてもいいんだけど,NDL-OPACをひけば,聞かずとも居ながらにしてわかるわけだわさ。
特に,読書人の話題にのぼるような人は,たいてい著作の1冊や2冊はあるからねぇ。googleでひっかかてくる情報も,結局は商用人名辞典とおなじで,人気のあるひとしかでてこないしね。
埋もれた人を発掘するのに,まず最初に必須なのは生没年の確定だからねぇ。