書物蔵

古本オモシロガリズム

ヒトラー最後の12日間を見る

似てる似てない

すぐに似てる似てないの話になるが,ヒトラーは似てる。ゲッベルスはちと似てない。エヴァブラウンってこんなにオバサンだったっけ?
ゲッベルス夫人の「非ナチ化された社会では生きていけない」という言葉が印象に残った。うーん,潔癖そうなご婦人だなぁ。でも,けっこうこーゆー人っているよね
あとはマトモな現場系の軍人さん。処刑されそうになってたけど(^-^*)
机上にしか存在しない部隊に命令するヒトラーと,それに言い返さない高級将校ってのは,じつは,倒産寸前の会社とか,ふつうによくある。まったく身につまされるだす。
仕事とかで,いろんな悪条件が重なって修羅場になることってある。これはたまにはしょーがない。けど,そんな修羅場のなかで普段は「よい人」で通ってる人が,明らかにおかしくなることってある。願わくば,自分は現場系の軍人さんみたいに冷静でいたい。
映画としての出来はいま一歩。わちきだったら,ドイツ国民に圧倒的に支持されてるところを最初に入れるね。「意志の勝利」を見せてもらったことあるけど,ほんと,みんなココロから圧倒的に支持している。ヒトラー政権はなによりも民主的,合法的に成立したのだねぇ。
あと,秘書さんだけが主人公じゃなく,軍医さんの副主人公で話が拡散してしまったと思うぞ。
でも,やっぱりヒトラーはドイツ語じゃないと。だからドイツ映画でよいのだ。戦争映画好きには楽しめるし。
映画ではぞくぞくと人が死ぬけど,じつはそんなにグロくない。占領後にソ連兵がした悪さとかもでてこないし。まあ,そこらへんを映画でみたければ「ブリキの太鼓」でも見てくんなまし。

考証

ソ連の戦車(T34-85)は本物使ってた。タイガー1は張りぼて軍国少年少女達が使っては88ミリ高射砲は本物っぽかった。
むかしPanzer Frontってゆーテレビゲームをしたのを思い出したよ。ライヒスターク(議事堂)前からタイガー2に乗ってベルリンの郊外へ逃げるというシナリオ。
まず榴弾砲が怖いんだ。真上から落ちてくるから。あとソ連戦車の大群。T34-85なら88ミリの高射砲でも撃ち抜けるけど,JS-2(スターリン戦車)だとタイガー2の長砲身88ミリでもかなりヤバイ。怖いコワイ。そして赤軍の歩兵達。どんどんやってくるよ〜
ヒトラーの事務室にブロックハウス百科事典が見えた。ほんとにそれがあったのかな? ドゥーデンの可能性はないのかとのツッコミあり。

これから見る人に

書店でさかんにポスターが貼られているわりには,上映館が異常にすくない… 結果として混み混み〜 初回に見ることをすすめます。お昼すぎだと,なにを血迷ったのか,若い男女連れが… あんまりデートでみるもんじゃないよ