書物蔵

古本オモシロガリズム

 またミッシングリンク 日本図書館経営論史

図書館経営論史をそのうちまとめたい(などとマジにはじまる…
(司書課程の)省令科目の改訂で,「図書館経営」ができて,同じタイトルの教科書ができた。けど,ちょうど,ひとむかしまえの(企業)経営学が,日本企業経営と無関係だったように,なんだかへーんな感じ
輸入学問でない経営学といえば,成果主義批判をしていた高橋伸夫氏が最近,メディアによくでるけど,この人,もっとまえの「やりすごし」論を読んでなーるほどと思ったよ。できる社員は「やり過ごす」 / 高橋伸夫. -- ネスコ, 1996.10 上司,部下ともに日本人の組織では,会議決定や上司の指示が,部下によってあえて(or無意識に)反故にされることで,資源の最適分配がなされているという実態について報告したもの。

上司(or同僚)のオバカ提案を会議の場で論理的にペチャンコにのす

ってことは日本人なら絶対にできないからねぇ〜。
タテマエでは会議で話し合ってるはずなんだけど,わても数十年日本人をやってるが,ほんとうに議論している会合ってのは,ごく私的な勉強会以外では(=つまりオフィシャルな会議では)1度たりともみたことがない。
まー,よく考えたら一度だけあるかな。てゆーのも,それをやったのは数年前の私だから(笑)。あとでその上司に大変ヤがられていたことが判明して,こっちもヤーな気分になった。もちっと器が大きい人かと思ったんだけど。これは(わたしの)失敗失敗。「わたしは逆さの考えです」と言っただけなんだけどねぇ…
だからオマヌケな提案がそのまま決定にいたるということは,日本人の組織では、きわめてしばしば,あることなのだ
もちろん高橋氏の分析が徹頭徹尾ただしいなんて主張はしないけど,ひとつだけ,これは絶対に正しいといえることがある

日本人研究者が日本語で経営学をやるんだから,日本の現象を記述(or分析)しなければ無意味

ということ。米人の議論がそんなに普遍的に正しいんなら,翻訳本をだせばいいんす。なにも,カーボン・コピーみたいな本を出す必要なんかない。だいたい本家(米国)に失礼でしょ
図書館経営論が,「学」の一環であるのならば,アカデミックな外見だけを装っても無意味。日本の図書館経営を対象になけりゃ(司書課程でシロウト経営学をやる意義そのものへの疑問はしばらく措く)。
で,こんなことになったのはなぜか,ってことなんだけど,学説史をやらないとわからんのだすよこれが。
ところがぎっちょん,学説史がない。単に過去の単行本をならべるだけなら,まあ,すぐできるんだけど,それをうまく論理として展開することが,ちょとむつかし。
うもれた論文や事実を点として,その点をむすんで,結びきれないところは点線で結ぶ(笑)もちろんそれだけじゃだめなんだけど。
で,きょうはあるところでその点をみつけました。よかったです。これで,補助線がかけますです。その余録で,時価?2万円の本も入手!ありがたし
単行本をならべるのも,単にリスト・アップするだけなら簡単なんだけど,物理的に並べるのは金がかかりまする。
図書館の実際的経営 / 乙部泉三郎. -- 東洋図書, 1939
これなんか,某専門店で2万円以上してる… わては持ってますが(^−^),まだ読んでない