書物蔵

古本オモシロガリズム

 方法論

方法論論争ってのは,三好が「若手は(開発ずみの)方法論を使え」といったのに対して,谷沢が,「文学研究に決まった方法論なんてない」と反論したということ(とりあえずこの文献によれば,だけど)。
社会調査なんかと違って研究対象が文学だから,谷沢のほうが本質的には分があるけど。でも,ある程度,方法論がないと,学部生に研究法を教えること自体がなりたたなくなるからねぇ。大学(とくに学部)は職人の養成ではありえないよ。学部できちんと方法論をおしえないとこは詐欺だとマジで思う。もちろん大学院になると,職人芸の伝授的な側面がかなり強くなるケド。
わちきは最初の学科では,方法論をぜんぜん教わんなくてねぇ。ゼミにも入ってたけど,結局自分で図書館で試行錯誤してた。見よう見まねで洋書の文献注つけたレポート出したら非常勤の先生がよろこんじゃって……(汗),でも,そりゃーその学科全体でおしえなさすぎだっちゅーの。
次の学科では,懇切丁寧に方法論を教わって……,感動した! とくに資料室で参考図書なんかの定位置までしめされながら,その利点・欠点について教わったのは,いまでもありありと憶えてます。
そのときに書き込みした本は,きっと,しぬまで捨てない(わての手沢本ってことになるのかな)。
話をもどすと,その三好行雄の方法論の本,買ってたんす。このまえ高円寺の即売会で(笑)。
文学研究の主題と方法. -- 有斐閣, 1977. -- (有斐閣双書 ; . 近代文学 / 三好行雄, 竹盛天雄編 ; 10)
この文庫本,ずいぶん字が大きくて薄い本だけど,いろいろ考えられたから,得した。けどホンモノの谷沢先生とは,お友達にはなれない気がする……(笑)。
ほかにも Book off では,「新・図書館学教育資料集成」を4冊(vol.2, 3, 5, 7)それぞれ105円で買いました。