書物蔵

古本オモシロガリズム

「明治20年問題」

しばらく古本研究所で行方不明になっていた橋口候之助『江戸の古本屋』を先々週だったか見つけて、明治期の江戸期大書肆の没落問題のところを読む。
結論からいうと、和本から洋本への書物形式の変化など、同時期に起きた相関関係にある現象は書かれているのだが、因果関係的な指摘としては、「変化になじめず、気持ちが萎えていく一方だったのでは」という仮定が示されていた。江戸期書肆、つまり物の本屋のメンタリティーが「明治二十年問題の本質」であったとする(p.326)。
うーむ(゜~゜ )
あとこの問題と関係ないけど、鈴木しゅんこうが一貫して「絵草紙屋」と呼ぶのに「草紙屋」と呼ぶのは、錦絵は江戸特有と見ているからかしら?(p.240)
いずれにせよ、索引がないのはこの本の画期的な価値からいって惜しい。