書物蔵

古本オモシロガリズム

メディア論の走り?:モノグラフとシリアルの比較

つれづれなるままにデジコレをながむるに、メディア論の走りもどきをバ。

  • 若月京之介「単行本と雑誌に就いて」『文藝 : 純粹文藝雜誌』2(7) p.60(1924-07)

単行本と雑誌に就いて  若月京之介
単行本は存在するだけである。僅かに序文等に依って著者と読書〔読者〕の連絡がつくだけだ。そしてその選択権は読者自身にある。
雑誌の性質は之に異る。雑誌はその編輯者に対して読者がその選択権を委任するわけになる。従って雑誌の効果は編輯者と読者の間に完全なる〔相互〕理解の発生する時その最大限度に達する。〔略〕故に雑誌は或期間同一のものを連続して愛読する必要がある。〔以下略〕

これは半ページにも満たない短文。投稿雑誌の「懸賞――讀者の作品――(散文・感想・短文・詩 短歌・俳句・川柳・情歌)/p26〜61」なるところにあるもの。だから、デジコレの目次に採録されないといふシロモノ。著者の若月京之介なる人物は誰だか調べたがさっぱりわからん(=゚ω゚=)