書物蔵

古本オモシロガリズム

おもしろい訳語「路上吏員」

ストリート・レベルの官僚制

  • 倉石一郎「路上吏員と人の情け」『図書新聞』(3174)p.6(2014.9.13)

http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/week_description.php?shinbunno=3174&syosekino=7572
郵便局で紛失小包の賠償請求をしやうとしたら、どーしても窓口の局員が受付けてくんない。ことばのせいかと思って大学の同僚に加勢を頼み、再度その局員にねじこんだら、なんと「やっぱり嘘をついていたのだ」。同僚は「「この男はだめだ。別の郵便局に行こう」」と別の郵便局にいったらすんなり受付けてもらった、とゆー話(´・ω・)ノ

この一件が、ちょうど興味深く読んでいたマイケル・リプスキーの「ストリートレベルビューロクラット=路上吏員」論とシンクロした

とぞ。
「Street levelの官僚制」なる概念を知ったのは、ふた昔まへ、組織心理学の教科書を読んでいた時だったかすら(゜〜゜ )

  • 田尾雅夫 著. 組織の心理学. 有斐閣, 1991.7. 267p ;

組識の心理学 (有斐閣ブックス)

組識の心理学 (有斐閣ブックス)

いつまでたっっても、なぜだか状況が良くならない雑誌○や農林環境○は、実は現在メンバーの問題といふよりも、「葛藤余波」とかで説明できるねぇとか、窓口官僚制の症状はナントカさんの対応そのものとか、ゲラゲラ笑ったことぢゃった(*゜-゜)
その頃のわちきは、わりと素朴に「組織を良くしたい」と思ふてをって、さやうな本を読んだのぢゃった。

リプスキーの議論は、警官や社会福祉士など本当に路上にいる吏員が代表例だったようだから、「路上」+「官僚制」なんだろうけれど、ここでは「官僚」を「官僚(高級公務員)」と「吏員(下級公務員)」にわけて「路上+官吏」としているね。
「現場官僚制」「第一線官僚制」などとも訳されとるやうだね(゜〜゜ )
わちきはまさしく「窓口官僚制」と訳したが。
ちなみにわちきはもはや「組織を良くしたい」と思はぬやうに――まあ、あくまで努力目標ぢゃが――しとるから、あまり言ふても詮無いのぢゃが、図書館だって官僚制で動いとるのぢゃから、窓口官僚は発生するのぢゃぞ(´・ω・)ノ