書物蔵

古本オモシロガリズム

田村ナナチアンのコラム

ホウショゲッカンの1990年頃の号に関心していたら、ふと、田村ななちゃんの文章が読みたくなった。

〔2007年〕6月16日(木)
その7月号、校了です。ほっとひといき。特集・このさき諸星大二郎一丁目。ひさしぶりの漫画の特集です。
 先日ひさしぶりに国会図書館に行ったら、新館が完成していました。さらに資料の請求票がペーパーレスに。とっくのとうの話ですか。新館の雑誌資料受け取りフロアは、なんだか大学病院の受付に似ている感じがする。それはよいとして、国会図書館の入り口わきの植え込みに「猫にエサをやらないでください」の看板を発見。あんなところで生きていく野良猫はたいへんだ。
http://wayback.archive.org/web/*/http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/framediary.html

資料請求票が不要になったのはいつのことかしらん。

〔2001年5月末ごろ〕
古本屋は本の奥付を必ず見る。だから時々とんでもないことで出会う。「きす、黒鯛、鱸釣」という本があった。佐藤垢石と鈴木晃の釣新書十二冊の一冊である。鶴書房版昭和十八年の刊行。戦時中だなあ、序文が陸軍中将安藤紀三郎だもんなあ—その実魚のアタリを待つ間の張きり(ママ)気持ちは、さながら戦場で敵と対峙する将兵の場合と異らぬ—だってさ。で、もう一度奥付を見て、仰天した。
  東京市神田区錦町三丁目十一番地
  印刷者 松岡虎王麿  東京四九—三鐘印刷
 なんだ。寺島珠雄さんの遺著『南天堂 松岡虎王麿の大正・昭和』の主人公、虎王麿の印刷した本だったんだ。知らせるべき寺島さんはすでに亡い。寺島さん、ここにも虎王麿がいたよ、と心の中でつぶやいて、しょうちゅうのお茶わりをかたむけることにした。
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