書物蔵

古本オモシロガリズム

部数の偽装

大手の出版社は、ここ数十年、著者に対しては発行部数を詐称してこなかったといへやう。

資金繰りが苦しい零細出版社が、印税を払わずトラブルになることはあっても、虚偽の印刷部数を伝えて印税をごまかす不正は発生しない、という常識が出版界にはあった。後述するように複数の社員、取引先がかかわっているためだ。ところがその常識をこともあろうに東証1部上場の会社が覆してしまった。
伊藤 歩(金融ジャーナリスト)「「ぴあ」が部数を偽装、他の出版社は大丈夫?:担当編集者による印刷部数詐称が内部告発で表面化」『東洋経済オンライン』() p.- (2013年11月24日)

ここ数十年というのは、明治半ば印税制度がはじまってからはむしろ、著者に対してもフツーに部数をごまかす傾向にあったのでできたのが、検印というやつ。

印刷部数や実売部数は、編集者の人事考課上、重要な要素になる