書物蔵

古本オモシロガリズム

戦中期の地図につき統図番号あり

太平洋戦争前から、各業界では統制がハヤリとなって、1業種1団体の統制団体が成立する。
地図業界にもそれがあって。
昭和15年11月1日に日本統制地図株式会社(以下,日本統制地図)が成立。民間の統制会社だが検閲事務取次ぎとして、「統図登録番号」はを各出版社に発給した。
発給期間は、日本地図株式会社に改組される昭和19年までか。

昭和19年8月4日に国策により日本地図(株)が設立されるまでの4年間,日本統制地図(株)は自社出版物の他に参加しなかった民間地図会社が発行する地図を受付て,内務省特高警察に持参して発行許可を得る仕事もしていた。」
 「申請書提出してからはその地図の内容によって,発行不許可は(無),次回発行時訂正するものは(検),そのまま発行して良いものは(認)の許可書が出る。許可が出たものには(認)(検)の印紙をつくり許可番号を印紙に印字して,発行者に渡す役目を負っていた
菊地正浩「戦中・戦後の地図界の話」『古地図研究』(313)pp.20-12 2005.4p.19

地図への表示

印紙が,袋や地図本体に貼付
例.菊地正浩:太平洋戦争中に作られた民間の地図(『地図中心』no.399 2005.12 pp.13-16)p.14に,当時出版された『新世界地図』袋
福島県会津若松市会津地方図』 東京交通社 昭和16年12月25日 (大日本職業別明細図 第699号)折りたたんで表紙となる部分に印紙(統図登録NO839)
印紙と同様じデザインを袋に印刷、地図本体に統図番号が刷ったものもあり。

印紙

2.5cm四方の正方形。ミシン目でちぎられた切手状。
「認」の字のまわりに「日本統制地図株式会社検印」という文字。オレンジ色で印刷。黒色で「統図登録NO 839」などと。