書物蔵

古本オモシロガリズム

「駄本雑本」を積み上げた山口昌男:古本を研究・執筆利用する場合の2類型

連載「古書肆の眼」(『図書新聞』3103号 3/23 p4)で内堀弘さんが、「砂塵を巻き上げるように古本を積み上げた」山口昌男のことに言及している。
面白いのは、司馬遼太郎松本清張井上ひさしといった、やはり古本を活用した作家と、その使い方の違いを対比的に記述しているところ(σ・∀・)σ
司馬などが新作に取り組むと古書相場が上がるといられていたが、それらの「古書」はきちんとした系統的な本(いわゆるフルホンでなくコショ)なのであったのだろうと指摘。なればこそ、ご本人が直接、即売会に出張らずに、古本屋さんに収集を代行させることもできたのだろうと。
ところが。

山口さんは古書展を駆け回った。そして、本人が言うところの「駄本雑本」を積み上げた。謙遜ではなく、私たち古本屋からもそう見えた。

「謙遜でなく〜古本屋からもそう見えた」っていいね(σ^〜^)
んで、山口昌男が「積み上げた」「駄本雑本」は、じつは「それまで見えなかったネットワークが浮き彫りにな」るような資料だったのだわさ(o^ー')b

たとえば明治時代の無名な商店主の伝記に、思いもよらない人の繋がりを発見し、それまで見えなかったネットワークが浮き彫りになっていく。

なんで、正真正銘の「駄本雑本」が、これまた正真正銘の発見になるかというような熱弁を振るわれたのだろう。

その熱弁を聞いていいると、面白い古本はまだまだ埋もれていると、わくわくしたものだ。

わちきもワークワク(o^0^)o
きのふも新宿展で、どーってことのないくすんだ山のなから、某氏が小木曽旭光の自伝をなにげに拾いだしたのをみてビックリ(@_@;)
文章の最後に、山口昌男が内堀さんを、ある出版社の社長に紹介したときの表現がいいね(´∀` )
親子ほど年を離れた内堀さんのことを「○○です」と紹介したんだって(゚∀゚ )アヒャ
さーて、なんと言ったのでせう(σ^〜^)σ

既存の書誌を利用する

しかし、古書店主すらわからんよな「駄本雑本」にどのように価値を見出していくか、具体的な方法を知りたひと思はないかぇ(σ・∀・)σ
いくつかあるが、ひとつ、ちと実践してみた。
まづハ、物知りが作った文献リストをゲットする(σ^〜^)
って、これぢゃo(^-^)o

  • 谷沢 永一「日本出版社史類目録」『關西大學文學論集』36(1〜4)創立100周年記念特輯(上) 1986.11. p121〜144

予想していたよりは点数が少ないが、それでも当時、先行する関係書誌を踏まえたうえで、谷沢先生ご自身が持っていたものを加え、出版社名の五十音順に配列。
ありがたいのは個人伝(自伝)なども、出版社名で引けるようになっているところ。
ざっとみて、あわてて日古を検索し、さっそく珍しいのに安めに出ていた次の本を注文(゚∀゚ )アヒャ

  • 弾圧に抗して : 編集者・小倉真美の回想 / 小倉真美 著,塩沢茂 編. -- オリオン出版社, 1970, -- 200p ; 18cm. -- (オリオンブックス ; 6) ?古本屋ピープル\1,500 国会などにあり。Ciniiなし。
  • わが子わが孫たちに / 柚木ます子 著. -- 音羽サービスセンター, 1969. -- 424p 図版 ; 20cm ?青木書店\1,575 国会などにあり。Ciniiなし。

うん、こちらはちと悩むなぁ(゜〜゜)

  • 守屋荒美雄傳 / 守屋荒美雄記念会編. -- 東京 : 守屋荒美雄記念会 , 1926. -- 678p : 図版 ; 23cm.