書物蔵

古本オモシロガリズム

蒐集家名簿

二見和彦「蒐集家名簿の話」『日本古書通信』(792) p.32-33(1995.7) ※当該号目次には八木福次郎「蒐集家名簿のこと」とある。編集作業場の錯誤と思われる。二見こと八木福次郎は、『ノーサイド』(1995.5)特集「読書名人伝」の山口昌男池内紀の対談が『日本蒐書家名簿(昭和13年版)』に言及しているのを引き、そこで「どうしてつくったかというと、簡単なんで、いまでもある「日本古書通信」が顧客名簿をもとにつくったんですね。」という部分に異議をとなえる。編集、印刷は簡単だが、情報あつめは大変で、具体的には当時の名簿広告の一文をひいて大変さを強調。ただし、ご本人が作業に携わったという書き方ではない。
本文は類書の紹介で、『日本愛書家名簿(昭和13年版)』をはじめ、『愛書家名簿(昭和16年度)』(雑誌愛好会)、『特選蒐書家名簿』(古典社)、『蒐書家名簿』(蒐集時代社、昭和43)、『全日本蒐書家リスト』(文車の会、昭和53)に言及。古典社の名簿については、『書物展望』(1935.2)にある広告文を紹介し、「私は残念ながら所蔵していないし、記憶にもない」とする。