書物蔵

古本オモシロガリズム

「部数」のいろいろ

2年まえ、「部数」とは何か(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20100920/p1)ちゅーエントリを書いたことがあったけど、その時のメモがでてきたので追記。

いろいろある部数

「公査部数」とか「公称部数」といった言葉があるが、いまいち何のことだかわからない。「公査」って辞書にないし、公称ったって、ぢゃあ「私称部数」っちゅーコトバがあるのか、ちゅーと、ない。
どうやら次のようになっているようぢゃ

部数(=発行部数≒販売部数≒頒布部数)
 ├ 「公称部数」
 └(証明付き部数、中立機関が確認した部数)≒(真の部数、本当の部数)
   ├「ABC部数」(日本ABC協会が「公査」*1した数値)=「公査部数」
   └「印刷証明付部数」(JMPA部数) 注)  「」はテクニカルタームとして存在する用語。  ()は説明文orテクニカルタームとしてもまだ存在しない用語

戦後になってやうやく、部数監査機関が新聞業界、広告業界のきもいりでできたけど、ここの数値が即、真の部数だったわけぢゃないし、だいたいこの日本ABC協会がだしてた『××発行社レポート』や『××公査レポート』が網羅的にのこっているところがない。あるとこで初期のこれを見たら、数値を引用すること自体禁止と書いてあり、あきれた。
公称部数は『雑誌新聞総かたろぐ』にあるのはわりと有名だけど、実はこれ、『月刊メディアデータ』1巻1号(1969)- に遡れる。ぢゃあそれよりまえはといえば、ABCの「発行社レポート」になるらしいが、これがまたどこにあるんだか┐( -"-)┌

*1:ABC協会による監査のこと。「「公査」は日本ABC協会初代専務理事・新田宇一郎氏の造語です」 http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/200503/03toku1.html