書物蔵

古本オモシロガリズム

創刊号コレクションの意義 2

200部しか刷られなかった(というのも、もともと古書店重複チェック用で配布するためだったため)『雑誌・創刊号蔵書目録:昭和59.12.1現在』 大塚文庫 1984.12 の序文に次のような文章がある。

  • 「霧の中」の創刊号コレクション:明治以来の発行雑誌は何点か?」

 1、2千点あたりまでは、単なる趣味と思ってきたが、4、5千を越すあたりから「文化財的価値だとか、研究資料としての価値だとか」「蒐集の方法論について思い悩んだり」するようになったという。
 また、明治以降の総発行点数を調べようとしたが、結局、旧内務省も把握してなかったから確かなことはわからなかったという。ただ、5万から10万点にはなっているだろうと推測している。
 「石川県のSさん」が、ほぼ同規模のコレクションを持っているという。
で、森さんの話では結局大塚さんは自分の創刊号コレクションの意義について納得いく論理を見つけられなかったため、売りたてることにしたという。実際、この目録の1986年版の序文に、田村紀雄氏と 山本, 明 (1932-1999)‖ヤマモト,アキラ氏が創刊号コレクションについて書いているが、なぜ2号でなく創刊号なのか、なぜ特定ジャンルでなく全ジャンルなのかについては書いていないに等しい。