書物蔵

古本オモシロガリズム

巨大な近代和歌索引と、レファ本のレファ本『日本の参考図書』

『現代短歌分類辞典』という巨大なレファ本がある。
わちき、たまたまこの巨大なレファ本セット(200冊以上)をみて、いったいこれは何に使えるんだろうハテナと、ひっくりかえして見ていたら、なんと、「大東亜図書館学短歌」をひとつ見つけたのであった。
ちなみに、わちきは文学的価値というのはからきしワカランので、単に、オモシロガリズムの一環で、主題(or題材)から短歌を引く辞典がほしかっただけなのであるが。
って、じつは短歌や俳句は「第二芸術」だと思っているフシもあり(^-^;)
それはともかく、古書展や図書館で、なんだかわからんレファ本に行き当たった時は、レファ本の解題書誌にあたるのが吉。
ってか、ヲルフォードじゃないけど、近代国家の図書館事業には分野横断的な「レファ本レファ本」があってあたりまえとされている。
戦前は、毛利宮彦早大図書館)とか、彌吉光長とかが出して、かろうじて大日本帝国図書館学の面目を保った。
で。
戦後の民主日本国においては、それは日本図書館協会が出版するところの『日本の参考図書』とゆーことになっておる!`・ω・´)シャキーン
で、これの1980年版を引いてみたら、ちゃんと出てきた。

(和歌索引)
現代短歌分類辞典 津端 修 イソラベラ社 昭和26-42(1954-67) 津端修 昭和43(1968)- (続刊中)
明治初年から今日までに発表された短歌55万2600首を単語に分け、単語ごとに簡潔な解説を付し、その語を含む全ての短歌を初句の五十音順に列記した、歌語辞典と短歌索引を兼ねる辞典。各短歌中の語は全て見出し項目とされ、活用語の各活用形も独立した見出し語項目として、配列は五十音順。 第11-16巻および第37巻に引用歌集の一覧を収め、各引用歌の末尾に付された歌集の略記号と併せて、歌集を参照する手がかりを与ようとしているが、不十分である。各巻末に収録作家名の一覧を付す。既刊は48巻(昭和53年「あり-て」)まで。

と、ここまで読んできた諸氏は、わちきが「レファ本ほめまくり」しとるのか、とお思いになっておることでせう(・∀・)
ところがこれが、じつは『日本の参考図書』の新版(2002年)批判にそのままつながるのであった。

『日本の参考図書』の新版(2002年)批判

げんにわちきが「大東亜図書館学短歌」を見つけたように、さらにまた、たとえばこんなデータベース(http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000030378)でも現役としてつかわれているように、『現代短歌分類辞典』はまた有益かつ不可欠なツールなわけである。
ところが…
新版(1996年)を引いてみんしゃい。『現代短歌〜』は掲載されとらんから。
聞いた話では、編集全体を監修する体制に不備があり(って、総監修をする人がいなかった)、重要な文献が随所で抜けているらしいのだ。わちきがすぐ指摘できたのは、たとえば和羅辞典が載ってるのに羅和辞典がないとか。序文には前版と併用せいとあるけど、それはあんまりな。だって1980年ですよ。
でも批判しとるだけじゃなんなんで、だれにも頼まれとらんのに、いま、ここ、に『現代短歌〜』の、いま必要な解題を試みてみるですよ。

現代短歌分類辞典 全219巻 津端修・津端亨 同刊行所 1954-1996
 当初の出版社は イソラベラ社(-1967)。途中、通巻159(1986)から「新装判」となり巻次も「1巻」から振りなおされたが内容的に不可分。近代短歌の索引として最大規模のもの。明治初年から昭和50年ごろまでの歌集、合同歌集(約2700冊)から、約60万首を収録する。歌中の各単語を見出し語とし、その排列は旧かな等の原表記をもとにした50音順。各歌は見出しの下で初句の50音順。見出しの一部には語釈がつき、歌語辞典をかねる。歌中の各単語から引けるが、必ずしも歌中の全単語から引けるわけではなく、出典調べには各単語を引く必要がある。通巻第37巻と新装第1巻に引用歌集の作者50音順一覧があり、掲載歌の末尾数字はこの一覧における作者の下での掲載順序数。各巻末の作者一覧は索引としての機能はなく、作者から引くことはできない。

どでしょか。