書物蔵

古本オモシロガリズム

セドローくんとモクローくんの本

一昨日,飲み会直前に書肆アクセスで買った本の本をだいたい読んだ。
『早稲田古本屋街』向井透史 未来社
『路上派遊書日記』南陀楼綾繁 右文書院

『早稲田』は未来社のPR誌連載をまとめたもの。予想に反し?実はかなり実証的な記述。戦前の早稲田界隈の話ってあんま読んだことないんで参考になった。明治初期の1/20000迅速測図(それもフランス式彩色版の復刻)を参照してたり,都市整図社の「火災保険地図」のコピー本を使ったりしてしっかりした本。
地図は日本の場合,図書館でまともに扱われない分,資料として使うのがむずいのだ。これはだれかブレーンがついとるね。近年,古書店主がインテリとなりつつあるということかしらん。
わちきとしては古書現世がジャーナリズム論の専門店になった経緯を知りたかったんだけど,遠慮したのか,それはなし。早稲田の古本屋さんたちも,専門店化と代替わりの2つのハードルを越えていかねばならんからこれから大変だのぅ。現世さんは両方越えてしまったほうといえるが。
『路上派』は2005年分のブログをまとめたもの。本にしてみるとずいぶん厚いなと思うけど,それでも刈り込んだという。一部屋古本市のこととかhttp://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20050918,いろいろ思い出しながら読んだ。
この本のウリの,脚注の選定は編集部に御一任されたようで新しい「おしゃれ古本」系の話題が多い。でも実は南陀楼氏は古典的な方面をもフォローした趣味人でそっち方面の注もあったらなぁと思うのはよくばりすぎ?