書物蔵

古本オモシロガリズム

『月の輪書林それから』読了す

月の和書林続編を風呂の中で読了す。著者毛筆?サイン入り。カバーの文字とまったく同一筆跡だからまちがいないよ。ばちあたりかな… そういえば,先週,浅草松屋でとなりに立ってたハンチング帽の人,そっくりだったけど…
わちきは読みながら(料紙の劣化が激しくない場合に)しおり代わりに耳折りをすることににしてる。これなら付箋がなくてもあとから判るからね。それを摘要してみんとす。そうすれば古本屋に流出しても大丈夫じゃ,ってますますばちあたり?(^−^*) まずは…
p.51「立花高四郎「これ以上は禁止」」
ああ,これは最近,興味がある検閲制度(の運用)に関するめずらしい文献だからしるしをつけたんだった。
p.64 「紀伊国屋書店のビデオ評伝シリーズ「学問と情熱」の森銑三を鑑賞する。森銑三の学問に打ち込む静かな気迫に圧倒される。/ 森銑三の著作に高い本はない。今後も高くなることはないだろう。うちも三十冊ほど在庫を抱えたままだ(後略)」
このビデオシリーズ,評判よかったけど全然みれないよ… わちきはむかしから図書館における非図書(ビデオ含む)のぞんざいな扱いには腹がたってるのだけど…
とくにビデオ時代のノンフィクション系のものに,結構,いいものがあるのに普通の人は参照できない…
p.106「満洲では主食の配給通帳が日本人と朝鮮人・満人とでは表紙の色が違い,米と雑穀の比率が極端に違った。こんな差別をしてもいいものか,五族協和を目ざす日本人がこれでいいのか(後略)」
p.197 『綺堂むかし語り』に,翻刻などの少なかった明治時代に,江戸文献を読むには蔵書家の自宅に行くしかなかったが,冷遇や厚遇されて,おちついて読めなかったという話(要旨)があるという。げにありがたきは書籍館なり。
P.305 三田平凡寺宮武外骨が,ケンカしてたのに仲が(必ずしも)悪くなかったという話。ゲハゲハ笑う。