ちょっと気が向いたので、こんな本を読んでみた。
- レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方 / 藤田節子. -- 日外アソシエーツ, 2009.4
- 作者: 藤田節子
- 出版社/メーカー: 日外アソシエーツ
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 単行本
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けれど、この主題(つまり、典拠文献の表記法というか、出典の書き方)について、懇切な本がほかにないからなぁ。。。 各種、論文作法の本におまけで付いているだけで、1冊まるまるというのは、ほかにないのでは。
むかし、「欧文表記ハンドブック」を買って、代用としたことがあるけれど、これにかわるものは、まだないのかな。
- 欧文表記ハンドブック / 鈴木兼吉. -- 日本エディタースクール出版部, 1983.6
- 作者: 鈴木兼吉
- 出版社/メーカー: 日本エディタースクール出版部
- 発売日: 1983/06
- メディア: 文庫
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いまだ一般にはぜんぜん普及する気配のないSIST02に準拠しとるということ以外にも、ちと読んでいて気になったことが。
〔出典(この本でいう「参照文献」)の明記する意義について〕同じ文献を後で読者が入手可能なものであることが求められる。そのため、著者が匿名や不明である場合(たとえば匿名のWebサイトやブログなど)は、その信頼性を確かめられないので、一般的に参照文献としては不適当と言える。
(略)
継続性や信頼性のあるサイトならばよいが、特に学術分野では、参照文献としては適切でないと判断される場合がある。
(p.11)
とある。
んー、ここに関しては、もうちっと書きぶりを変えたほうがいいような気がするが、それよりなにより、基本コンセプトが社会科学的というか、自然科学的というか。
レアな資料を参照したらバ
人文学的には、
匿名だろうがなんだろうが、研究の上で必要不可欠な参照をしたならば、参照したことを書くべきであり、それが資料として特殊なものならばその旨、注記すればよい
ということであろう。
〔有意義な〕書き物はすべてパブリッシュされ*1、学問は、(再検証可能な)学術論文と、(再検証可能な)事実そのものとがあれば、あと要らんのだ。
という学問観に立脚せるものであろう。
*1:これには逆に、査読を通らない文章や活字にならなかった文章はどーでもよい、とする資料観がある。