書物蔵

古本オモシロガリズム

キントトで丸善のパンフ「丸善特製 図書館用品」

リーフレットを500円にて拾う。ほんとは単なる商品目録なんだけど,こりは… すごいなりっ!

自由だ自由だ,自由接架だよ〜

図書館の在り方を実物見本で示した/ライブラリー モデル ルーム/を丸善で常設致して居ります

そして大写しでモデルルームの写真が! さらに解説がイケてる!

自由接架式(オープンアクセス)--図書閲覧法について
 自由接架式図書閲覧法の根底をなすものは,自由に,所望の書籍を書架から取出して見られるといふ点に御座います。図書室にも書架にも鍵がなく,全く閲覧者の自由採択に委せられて居るといふことであります。

自由であります。自由に採択するのであります。でも,自由にするには丸善製品が必要なのであります。

(略)が,此の閲覧法を採用するには図書は勿論,図書室用具について特別の配意がなくては効果的でない(略)卓子,椅子の類,また手洗,鏡,鉢木なども感じよく配置する。要するに書物を種々採択するのに明るくて,気品があり,簡素で落着いた雰囲気を醸し出していること--之が要諦であります。(強調引用者)

ははぁ,気品があり落ち着いた雰囲気ですか… いまや自由の極みの図書館は,ちと違う雰囲気に支配されているような気も…
それはともかく,この開架(オープンアクセス)のモデルルームって初めて知ったよ。東京の丸善にあったのかなぁ。年代は書いてないけど,字がみんな旧字(正字)だったりするから,1945〜49あたりであることは確か。

「ライブラリーペン」って?

そだそだ,肝心の図書館用品。

セロハン透明テープ
透明セロフアンに接着剤をほどこした新製品,他をよごす事なく絵画書籍等の破損補修に好適品。

すごいよ,「絵画書籍等の破損補修に好適品」なんだって。
さあみなさん! セロファン・テープでおおいに絵画・書籍を補修しませう! (ってことはしないように)
もっとすごいのは

ライブラリーペン
ラベル見出タイトル等記入に最適

って,ただのペンにしか見えんが… きっと,ラベルに請求記号を記入したりするための特殊な機能がついているのだろー(^-^*) すごすぎっ!
キントトさん,こんなリーフレットいったいどこで拾ってきたんだろー やっぱりセドリ? にしてもこんなオモシロイもんありがとー
ついでにこれも。
録音機と教育活動 / 日本放送教育協会. -- 日本放送教育協会, 1952
500円
グラビヤページがおもしろい。ボストンバックぐらいの大きさ!の録音機をまえに,よいこ達が教育活動にはげんでおる。なになに〜

テープレコーダーならばいつでも同じ速度で先生の読上げ算がきこえます。先生がお休みの時もこうして有効に学習します。(強調,引用者)

あのー 「先生がお休みの時」,ってほんとに生徒だけで「読上げ算」の学習するのか??? うーん,ニューメディアの普及期って,普及させる側はたぶんに無理矢理な設定をして「だから役に立つ」ってゆーんだよなぁ。オモシロし(^-^*) 本文中にもいろいろマジメに録音機の効用について書いてあるけど… これはたのしみなり〜

あとキントトさんとこで

先週だったか神田の古書会館で,せどろうかと思ったほんがキントトさんとこに並んでた(^-^;)
これで同様の例は2回目。まえは落書きの歴史だったかなー。やっぱりセドリで集めてるみたい
で,表紙をながめていたら,なんか自分用に欲しくなってきた。だって表紙が,三菱一式陸上攻撃機11型の絵なのだ。それも機体が白いというのがなんとも珍なり。でも,終戦連絡機じゃありませんから。(って軍事オタクじゃないとなにがなんだかわからんか)。うーん。悩むなり〜
けど,もとの値段しってるからいうけど,あれじゃ大して儲からないよ… だいじょうぶかなぁ。一度書いたけど,安くはないが高くはないね。キントト文庫
で,広くなった店内を(って,あれでも前よりずっと広くなったのだ。だって人がすれちがえるし,下の本をみるとき屈めるんだもの)うろうろしてたら,ちょうど店主さんは長電話の最中。聞くともなしに聞こえてしまいました… 
たまにキントトさんのインタビュー記事なんかみると,とりつくしまのない店主さんに記者がほんろうされてるのがよくわかりますが… 実は頭がよくて妙に誠実な人だったんですね。それじゃたしかに疲れてしまいます〜

すずらん通りで!

歩いていたら何時間もまえに緊急電を発したまま行方不明になってた友人Aが!('0'*)
どゆこと?
聞けば,中野書店で買い物をしたそうな。なんと
書物誌展望 / 斎藤昌三. -- 八木書店, 1955
いやー,立派な値段なり〜 美品だけど… 中野書店は高めだけど美品なり〜 これ道理。
それに早速この本お役立ち。
この本は,件名風にいえば「図書--雑誌--書目--解題」なのだ,ってワケ分からんってか? うん,本についての雑誌,についての解題書誌ってこと。
金曜にふたりして買いまくった雑誌のことが載ってた。図書館関係記事がかなりあったから,図書館関係者がやったのか?とか,内務省納本月報などと改題しとるから,内務省がらみの雑誌?とか,いろいろ想像をたくましゅうしたんだけど違かった。もともと読売新聞で納本リストを掲載したらとっても好評で,その担当者が退社後,はじめた雑誌だって斉藤昌三は言ってる。
でも,斎藤昌三って,きちんとまじめな業績もあるのね。エロ本,ゲテ装本のイメージでずいぶん損してると思うぞ。