書物蔵

古本オモシロガリズム

 人事異動と部隊の損害の比較

ある会社のある課で,10数名の課員のうち2,3人を残してすべて変わってしまったのだそうな。それも残ったのは新兵ばかり。
ふつう,戦闘である部隊から2,3割の戦闘状態不能者がでれば,それは重大な損害とされる。その部隊は後方にうごかして,補充兵をあてがうだけでなく,休養も必要となる。
もし,6割もの不能者がでれば,もうこれは部隊としては存在していないに等しい。その部隊は再建されずに解散となる。
とくに2/3もの損害がでるということは,古参兵に欠員が生じるということでもある。戦闘では常に新兵から消耗していくが,古参兵が温存されていれば部隊の再建をすることができる。古参兵もいなくなってしまうようであれば,その部隊は解体・廃止するしかない。
2/3もの課員が一時にいれかわったとしたら,論理上はつぎのことが想定できる。
1)機能停止してもかまわない程度の仕事しかしてこなかったし,する必要もなかった か
2)こんどから新しく,1)の程度の仕事しかしなくてもよくなった か
3)1,2以外の特殊事情
おそらく3)でしょう(笑) 私にはよくわかります(一般の方には何がなんだかわからなくてすみません)

つけたし

上記の軍事実態を反映させるために,1980年代に一部ではやったボード・ゲーム(War gameという)では,駒を裏返すということをやっていた。駒の裏面に攻撃力,防御力の低下した数値が印字されているわけ。
凝ったゲームではさらに,そのような戦力減退の駒に,補充兵駒をもっていってやることで,オモテ面に戻すというものもあった。
上記の記事は,そのようなゲーム*1のことが脳裏にうかんだので喩えてみました。

*1:具体的には,Avalon Hill 社の,「The longest day」というゲーム。書泉ブックマート(神保町)にデッドストックだったもの?が売っているけど,10万円もする… すごいプレミア。