書物蔵

古本オモシロガリズム

「mikoshi」についての本

十全老人ならぬ十全外人さんがご所望のよーなのでチト調べてみた(^-^;)
学術研究でなさそうなので、とりあえず図書(単行本)レベルでどんなのがあるかは、国会図書館のオンライン閲覧目録で、件名「御輿」で検索されたし。そのリストをもとにちょっと調べてみました(。・_・。)ノ
国会さんの件名標目は「神輿」でなく「御輿」らしい。Library of Congressのsubject headingだと「mikoshi」。
ただこれらの図書はいくつかのパターンに分けられる。

個々の祭りとお神輿

全国各地のお祭りで御輿をかついでる風景をスナップショットに撮って、必要最小限の説明を加えるという写真集的なもの。これが本としてはいちばん多い。『神輿図鑑』(アクロス,1997-)とかが代表例。
ただこの手のものは、お御輿の詳しいデータや一般論には欠けるので、お御輿のディテールとか、どうやって担ぐのかといった運用法はわからない。特定のお祭りについて最小限のことを知りたいとか、全国でどんな御輿を担ぐお祭りがあるのか一度に見たいといった場合には使えるけれど。

学術的報告書

文化財保護行政の枠組みで調査研究書がだされる。文字だらけで内容はしっかりしとるけど、その祭りについてしかわかんない。一般論はないので、その祭りを調べる際には超重要だけど、そうでない時はほとんど役立たないかなぁ。『上尾市文化財報告. 44』とか、本としては少ない。

概説書

御輿とはそもなんぞ、とか担ぎ方とか、スペック(性能、ちゅーか寸法とか)、作り方とか、そーいったもんが十全に書いてあるほんが良い概説書なんだろーけど、意外と見つからんかった。
ちょっと薄いがNHK美の壺」制作班 編『神輿』(日本放送出版協会,2008.9)がイチバン手頃。ただ、本格的にもっと、というんだと、宮本卯之助 監修『神輿大全 : 基礎知識から、歴史・製作・保管・修繕までを網羅した決定版』(誠文堂新光社,2011.9)あたり。副題に決定版とあり仰々しいが、まあ、たしかにこれがイチバンいいかも。

外国語で

国会さんのOPAC検索結果一覧にドイツ語の本が1冊でるが、ちょっとダメ。むしろ英語で次の本の付録についているものが今見つかる範囲ではいちばんいいのでは。

  • The great festivals of Japan : spectacle and spirit / Hiroyuki Ozawa ; translated by John Bester.. 1st ed. Kodansha International, 1999. 120 p. : ill. (some col.) ; 31 cm. ISBN 4770023944