書物蔵

古本オモシロガリズム

売立目録は戦前から古本屋で売られていた。

戦前から書画骨董の売立て目録は古書店で売られていたようである。

〔水道橋へ行く白山通りの古本屋店頭を〕見ると、歩道に少しはみ出した簡単な台の上に、売り立て目録が山積みされていた。(略)私はこれを材料にして勉強することは一つの手だと気づいた。一冊あたりの値はいくらでもない。私は店頭にあった百冊を越す目録を残らず売約した。
 数日後、松盛堂主人はリヤカーでそれを下宿先に届けてくれた。この目録を手掛りにする目の訓練は、意外な効果をあげた。機会ある毎に私は目録を買いつづけた。(北小路建『古文書の面白さ』p.14)

ここでは売立目録を影印本のかわりに使用している。なるほど、たしかに現在のような影印本がない場合にはその代替としてつかえるわけだ。北小路建の目の付け所はとてもよい。