書物蔵

古本オモシロガリズム

レファの米国定義(つづき)

カレントの訳があがってたので。
まあ、米国の米人による米人のための定義なので極東での議論にどれだけ意義があるか知れんが。。。
英語・日本語そのものの問題(関係詞が日本語にないとか、and/orは日本語であまり意識されんとか)はおいといて。

(原文)
Reference Transactions are information consultations in which library staff recommend, interpret, evaluate, and/or use information resources to help others to meet particular information needs. Reference transactions do not include formal instruction or exchanges that provide assistance with locations, schedules, equipment, supplies, or policy statements.

(my試訳)
「レファレンス対応」とは、情報についての相談業務である。この過程では図書館員は、特定の情報ニーズにあうように相手を助けるために、情報資源を提案したり再定義したり評価したり自ら使ったりする。レファレンス対応には、定型的利用指導は含まれないし、道案内、開館案内、施設・設備案内、方針説明などについての援助活動も含まれない。

(カレント訳)
“Reference Transaction”とは,特定の情報ニーズを満たす手助けのために,図書館スタッフが情報資源を推薦,解釈,評価,利用のいずれか,あるいはそれらを組み合わせて行う情報相談のことである。“ReferenceTransaction”には,所在,スケジュール,設備,消耗品,または各種方針についての公式の指導や,やり取りは含まない。

うーむ。トランザクションをやまとことのはにも漢語にもしとらんのはまあ、戦術としてよいとして、ちとほかの部分についてわちきの意図を語っておかねばならぬようじゃて。
まず、information consultationっちゅー、熟語?だけど、これ、きっと、bookに関するコンサルの対概念になっとるんではないかいな。Readers' advisory serviceとかいうけど日本では「読書相談」とかいう。読書相談とレファは日本で混同されたり近似の概念になっとるやつ。
たしか米国ではわりと明確に違うものとみなされてきたのではなかったか。だから、わざと、くどくして「○○に関する相談」としてみたのだが。。。
後半の、なになにを含まない、というのは、要するに、利用指導や総合案内、経営方針の説明など、レファレンス・ライブラリアン以外の職種(事務補助員や准司書、クラーク、管理職、館長)がフォームとしてやる仕事を排除しているということ。逆にいえば、トランザクションのなかでとっさに、その利用者にとって必要であれば随時やるよという意味であろうて。

あなたの疑問に答えられそうなしかじかの本は書庫出納になりますから、貸出Aカウンターへ行ってください。

ということはレファのトランザクションでありえても、

この図書館ではですね、古い本は書庫出納になりますから、貸出Aカウンターで受け取ってくださいね。

ということはレファレンス・ライブラリアンの仕事ではないとうことじゃないかしら。
フォーマルを「公式」と訳すと、そういった文脈がちとわからなくなってまうのではないかしらん。
もちろん、わちきは英語は嫌いだしわからんし米国に行ったこともないんでなんともいえんのだけどね(ってずいぶん言ってもーたが)。