書物蔵

古本オモシロガリズム

「図書館川柳(としょかん・せんりゅう)?」(・o・;)

ある大人(たいじん)に、「日本館界には、英米館界にある"library humor"がない」と指摘をうけたのは前世紀のことだった…
さらにまた、「書物蔵」の、初期のころ(2004年)のモットーは、「ライブラリー・ユーモア」だったような覚えも(*゜-゜)
途中で大人に、「蔵」はhumorとはいいがたいと言われ、ひっこめちゃったんだけど…
よくみてるブログ「少し調べて…」で出所不明になってた書物がらみの引用句(「処女作には作者のすべてが…」)を調べようとしてたら(それについてはまだ見つからず)、なんと、図書館がらみの引用句サイトがあったんで、ちょっと面白そうなものを訳してみたよ。

「ひと様の 書誌に文句は カタロガー」(byジェシー・シェラ)

Shera
Shera's Two Laws of Cataloging
Law #1 No cataloger will accept the work of any other cataloger.
Law #2 No cataloger will accept his/her own work six months after the cataloging.
— Jesse SHERA, Univeristy of Illinois, Graduate School of Library Science, Occasional Paper #131, Dec. 1977.
http://www.ifla.org/I/humour/author.htm

シェラってのは、図書館情報学のエライ人(図書館社会論?)。訳本もあるよ。

目録作業の2法則(ジェシー・H.シェラ)
(法則1) 目録に 文句つけるが カタロガー*1
(法則2) 文句つけたらこのまえの 自分のだったよカタロガー

目録作業の2法則(ジェシー・H.シェラ)【異訳】
(法則1) ひと様の 書誌*2に文句は カタロガー
(法則2) ダメ書誌と 本人つくった 半年まえ

あれっ('o'*)
図書館川柳になっちゃった(^-^;) 狂歌か?

分類に文句つけるが書物蔵 by書物奉行

これはわちきの自作ね。

オタさんに図書館トリビアおしへられ by書物奉行

「書誌の書誌」ならぬ、「レファ本レファ本

まったく見知らぬ分野の調べものをする際には、ヲルフォードのレファ本レファ本をみるがキホン。
Walford's guide to reference material.. -- 7th ed.. -- Library Association Publishing, 1996-
ほんとはいま第8版が出とるんだけど、「総記・文学」の巻がまだみたいなんで前の版を。
「文学」の下に「引用句」のレファ本解題リストがあって、それを見ようとしたんだけど、ついつい「図書館学」のほうをのぞいちまったら、なんとまあ、そっちにもなんと「引用句」が。
つまり、図書館学の引用句を調べるツールがあるよ、ということなのだ。ってなんじゃそれ(゚∀゚ )
で、国際図書館連盟がサイトにさらしてるのを知ったというわけ(・∀・)

「本を貸す馬鹿〜」

主題からも探せるようになってて、なんとまあ、大昔、紀田順一郎先生の本で知った、とっても印象的な句

本を貸すバカ 借りるバカ そのまた本を返すバカ

のもとになったらしい句があるよ。

He who lends a book is an idiot. He who returns the book is more of an idiot.
— Anonymous, Arabic Proverb
http://www.ifla.org/I/humour/subj.htm

「本を貸す者は馬鹿である。本を返す者はもっと馬鹿である。(直訳)」(作者不詳 アラブの諺)
これを、「本を貸す馬鹿〜」とステキな訳にしたのは誰でしょう…

ハナシを戻すと

わちきの見るところ、なんだか英語にやむやみやたらにある引用句サイトは、やっぱりイチから調べて入力しとるというよりも、どっかからパクってきてるものがほとんど。結局、紙資料の世界で調べたほうが、近道のように思える。
英米じゃ、調べものに関してはここ100年きちんと方法論が積み重ねられてきたから、たいていのことが、きちんと調べられるようになっている。
なにしろ、「失われた引用句・格言の見つけ方マニュアル」なんて単行本があるぐらいなんだから。
って、この本の存在も、ヲルフォードでみつけた(^-^;)

日本では…

そうそう、こんな「大東亜図書館学短歌」(ってこれまたなんじゃ(゚∀゚ )?)なんかも、紙資料を使うとすぐに見つかるよ。

仏租界戦禍免かれて上海自然科学研究所に父の文庫は安全なりしと(3) 五島 茂

どーやって見つけるかというと…
(つづく)

*1:「キャタロガー」が原音に近いのだろうが。

*2:「目録」だと長くなるんで。