書物蔵

古本オモシロガリズム

大東亜図書館学+大東亜トンデモ学=大東亜ト学!!!

畏友オタどんの友情?エントリ「戦時読書運動と関係はあったか市橋善之助」http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20070529/p1に呼応して、ひさしぶりにマジメねた。
たしかに市橋善之助も読書論をものしてをる。しかしわちきのみるところ、「国民読書」には無関係。
どっちかといえば、むしろ

自由主義的読書法

として批判されるほうではあるまいか。

代表的読書指導書

戦時読書指導書のひとつ、庸村センセの『国民読書と図書群』(昭18)を読んでいて、(゚∀゚ )アヒャとなったのは。
それまで(昭和17年ごろまで)の読書論を「自由主義読書法」として批判しておるところ(・∀・)
戦前の読書法について批判しとる文献は初めて見たもんで(^-^;)
庸村先生は、「最近の代表的読書指導書」として次の3冊を選んで長い、ながーい批判を加えておる。
先生は

それらの指導書及び著者を尊敬すればする程に、その指導理念と方法を深く検討する必要に迫られてゐる。全国一千万の勤労青少年並びに一般国民層を対象とする「国民読書」の完成のために、いふべきことだけは此の際いわねばならぬ(p.61)

となかなか鼻息あらい(^-^;)
まーようするに、

カネとヒマのある高学歴な都市民でないと自由主義読書はでけへんじゃないの(超要旨)

ということを言っておる*1

  • 読書の技術 / 島影盟. -- 教材社, 昭15
  • 如何にして学ぶべきか / 加田哲二. -- 慶応出版社, 1941
  • 現代読書法 / 田中菊雄. -- 柁谷書院, 1942.9

*1:つまり、大東亜戦争が大勝利におわり、カネ・ヒマ・モノありまくりの日本になったあかつきには自由主義も可という意外にも表層的・限定的な批判なのだ(・∀・)。現実の日本は大敗北したはずなのに、なぜだか今は、大卒4割、100円本ブコフの日本のような気が(^-^;)。インテリ余りまくりの、本の余りまくりで、トンデモ研究をする余裕ができた日本は万々歳?