書物蔵

古本オモシロガリズム

ホンモノの右翼の図書館とはっ! その名も「皇道図書館(こうどうとしょかん)」(^▽^)/

皇道図書館蔵書目録
根本先生が右翼などというトンデモカキコが2ちゃんに(4,5年も前だけど)あったと書いたけど,根本先生は(政治ではなく社会思想的な)保守主義ではあっても(佐伯啓思あたりを引用していた憶えが),右翼とか皇国主義者とは言えないねぇ。
猫も杓子も民主の世では,皇国主義者なんておらんのだ。とくに右も左もサヨクばかり(形容矛盾?)だった戦後の館界には… 右翼の図書館人に会いたい!って思っても,こればっかりはムリだ
って思っていたんだけど…
ん? なんかひらめいたぞ…
そうか! 敗戦前まで戻れば,ほんものの,ほんとうの右翼,国粋,皇国主義者の図書館員に会えますね!!!
なーんだ。簡単な話だワイ(^-^*)
と眼を白黒させてるアナタ。忘れてやしませんか,我らには古本があるということを。
ということで,このまえネットで取り寄せた戦時図書館本,御出座〜
皇道図書館蔵書目録 第1輯』皇道図書館創立委員会 昭和18年12月刊
すめらぎのみちのふみくら! これぞ右翼の図書館と申さずしてなんと申しましょうや!o(^-^)o
取り寄せたもんはただの蔵書目録じゃない。まず表紙には朱色で「御高覧」の手書き文字。
本をひらくと… 発起人の「並木軍平」の肖像写真が! 神官の格好かな?(ここで古代支那の官服にしか見えない,などと言わぬよーに)
題字が2つ。財団法人皇道社,今泉定助の「国体明徴」。日本大学総長,山岡萬之助も。
序は今泉定助,顧問からの祝辞,発起人の「第一輯刊行に就いて」,創立趣意書,委員会規約,代表関係者(名簿),凡例。
すごい,この図書館のことがアラカタわかるスバラシイ蔵書目録ですよ。
末尾には編纂実務をした樋口剛 岡田政雄という人々の編集後記もあるし。
さらにさらに,こんなチラシも挟まってました

御待望の本館創立計画は目録第一輯発刊と共に完了仕候間茲に一部送付申上候
御高覧の上は各方面へ利用方御推せん御願申上候
追而第二輯及第三輯図書蒐集も完了致し目下編纂中に付き刊行の上ば御送付可仕候

これは拾いもの。
編集後記によれば,高崎に仮館があったそうな。事務局は都内豊島区。うーむ,ここに出てくるひと全然わからずも… 調べれば,戦時中の,市民の自主的な図書館としてオモシロイことがわかるかもo(^-^)o ワクワク 事実上の館長,並木軍平,職員の樋口剛,岡田政雄の3人のこと知りたいけど… ネットじゃ全然わからんね。
この図書館,敗戦でどうなったのかな…

2006.1.9追記

友人に見せられた天野敬太郎『本邦書誌の書誌:総載編』には,なんと! きちんと上記目録が記載されていた。第1輯しか載ってないから,

天野敬太郎は,第1輯しか確認できなかった

ということになる。あの天野敬太郎が2輯以降は未確認とあれば,これは果てしなく

出版されなかった

ということに近似してくるよね。うーん,さすが天野敬太郎じゃ。