「書物語辞典」にはこんな項目も
この文章は文字通りに解釈してそれで終わってはいけない。
「高等官」ってのは… 戦前のエライお役人のことと思えばいいかな。
手元の百瀬孝『昭和戦前期の日本』をみると,こんなかんじ。
官吏のエラサ表(百瀬孝p.93を改変)
高等官
親任官 例)大臣や総督など
高等官一,二等(勅任官) 例)府県知事,各省局長,エライ帝大教授など
高等官三〜九等(奏任官) 例)各省書記官,帝大教授・助教授など
判任官
判任官一〜四等 例)属,技手,帝大助手など
そんで,親任官,勅任官,奏任官,判任官をぜんぶあわせても(官吏),いまでいう「公務員」の一部でしかない。お役所にはそれと違う身分の人たちがたくさん働いてた…
公務員全体の内訳 百瀬の記述を解釈して作成
国家公務員に相当
官吏(武官・文官)・宮内官,議員,委員
嘱託員,雇員,傭人,兵(下士官以上は武官)
地方公務員に相当
官吏 待遇官吏 吏員 こっちにも雇員や傭人
このなかの文官のそのまた高等官,ってわけから,「書物語辞典」の著者は,前段の,ただの管理人という文脈から考えると
図書館員はただの管理人とバカにされてるけど,一部の図書館員は司書官といって実はエライんだぞ
ってことがいいたいのだねぇ。
附 待遇官吏に,社会教育主事(奏任官待遇),同主事補(判任官待遇)がある(地方待遇職員令大9勅令248)。もしかして地方の図書館員はこれ???