書物蔵

古本オモシロガリズム

プラモの歴史

これを百円でひろう。定価は150円なり
編集後記がオモシロイ
航空情報編集部編 『プラモ・ガイド:83機種の選び方・作り方』 酣燈社 昭和38 (航空情報・臨時増刊)

プラモ・ブームが日本で最高にもりあがった1961年夏 (中略) その後,プラモ・ブームは一時のヤジウマ的な人々の脱落はあったものの,着実にその根を深くひろく張りつつあり

なーるへそ,昭和36年ごろがプラモ・ブームの最高潮だったわけね。まー,いまの人たちは,昭和55年ごろのガンダム・ブームがプラモの最高潮だと誤解しているでしょうが,じつはそれより20年まえのほうが,すごかった。
というのも…

プラモのファン層がひろいことはすでにマスコミ界で好話題のひとつになっているくらいですが,この本の執筆メンバーのなかにも(中略)らの航空関係者以外に,「ゴホンといえば……」の竜角散本舗社長の藤井氏,中学校教諭の小鷹氏,木村屋パン店主人の木村氏,通信社員の加藤氏ら,おのおのその方面の第一線で活躍していらっしゃるかたがたが

つまり,名士もまきこんだブームだったのだ。「なんでも鑑定団」の司会者,石坂浩二はプラモファンで一部に知られているけど,この最初のブームの時からのファンだったはず。
で,なんかとっても啓蒙的なのがよい。

ファンのレベルの向上,メーカーの良心的な努力とあいまって,わが国のプラモ界はようやく世界水準に追いつき

と,良心なるものをプラモに持ち込んでいる。良心的プラモとはどんなプラモ(笑)?
ほかにも,パラパラ見ていたら,ある製品の紹介で

〔注意〕 かなり工程が多いからおっくうがらずに辞書でもわきにおいて,説明書をじっくり読みながらくむこと

なして組み立て説明書をみるのに辞書が必要なーのか(笑)
輸入品なわけです。そのプラモ。で,説明書が英語。輸入品のプラモなんてのは大人じゃないと買えないくらい高かった。
この後,『プラモ・ガイド』は,たしか1974年の『プラモ・ガイド1000』で絶頂期をむかえるわけで,私みたいな1970年代テイストのプラモ・ファンには涙がでるくらいなつかしい本。プラモ・ガイド。
昨今のプラモ界には啓蒙色はまるでないからねぇ。