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書評の書誌なのに、人物調査として使える?!(×o×):「として使える」といふ方法

  • 書評の書誌 : ブックレビュー索引 : 昭和30年代 (1955-1962) / 近代書誌懇話会 編

が出たといふので、さっそく見てみた。
著者名や書名索引しかつかんかと思ふてをったら、さにあらず、NDC2ケタ別の一覧があり、ジャンルからちゃんと引けるやうになってをる(*´д`)ノ
さっそく出版のところをば。
ん?(・ω・。) にゃんと、『出版年鑑1960年版』が書評の対象になってをるではないの(≧∇≦)ノ
いそいそとメモし、書誌をたどりテ、『週刊読売』(1960.7.3)p,.57を見てみると。

〜書名索引、著訳編者人名索引も完備している。ことに後者は、住所、電話番号などもはいっており、最も詳しい文化人名録として活用することができる。〜

といった評が「図書室」という論題名の下の「短評」グループ内にあった。よくみると、「短評」でないフツーの諸ひょのほうには、文末に囲み記事で著者紹介情報(2、3行で生年あるのもあり)があるね。
と、いふことは『書評の書誌 昭和30年代 』は、著者調査にも使えるのかなぁ。
しかし、上記の書評子はいいこといっとるね。
たしかに『出版年鑑』を慌てて見ると1952年版から著者索引に生年、専攻、住所、電話番号が記載されはじめてる。1960年版だと8割ちかくに入ってるなあ。まあ、まったく入ってないのもあるけどね。生年がなく住所しかないのもあるし。死んでたら「(故人)」なんちゅー表記もある。
もちろん書評子が例示せるごとく『文化人名録(著作権台帳)』が手許にあれば、それに越したことはないんだけど、実は同時代、ほぼ1960年代の半ばまで『出版年鑑』が文化人名録の代替機能を持っていたというのは意外な事実ぢゃの。それを気づかせてくれた書評子えらい(≧∇≦)ノ
って、じつはレファレンス・ブック評(ん?(・ω・。) reference book reviewか(σ^〜^)σ)の、キモの一つに「として使える」という視点がある。

出版年鑑なのに、文化人名録として使える。

「出版年鑑だから、出版物リストとして使える」って、これは当たり前田のクラッカー(σ^〜^)σ
書誌情報だけを示せば、そんなことは書かれなくてもいい事柄である。
しかるに。
「出版年鑑なのに、文化人名録として使える」というのは、これは言及されてしかるべきだよね。もちろん、この機能は現在はないわけだけど、昭和30年代のあまり有名でない著者プロフィールを調べるさいには一応あたらねばならないものとして当時の出版年鑑が立ち現われてくる。
って、じつはたった今、貴兄らは

昭和30年代の、第二文化人名録の開発の瞬間に立ち会った

ことになるのぢゃぞ(σ^〜^)σ
それも予算を1銭も使わないきはめて簡便な開発法(≧∇≦)ノ
「解釈」をちょっといぢってみただけの簡便さ(σ^〜^)σ
出版年鑑もそうなれば、たとへば書評の書誌を使ふて、新聞雑誌の書評欄をたどれば、これまた著者略歴がわかる可能性がある、ちゅーわけでんなぁ。。。
まあこれはかなりむつかしい使い方であるわけだけれども(゜〜゜ )