書物蔵

古本オモシロガリズム

歴史の破片がこちら側に転げ落ちてくるとき

ネット上で、『図書新聞』の内堀弘「古書肆の眼」の連載コラムが読めるとは知らなんだ( ・ o ・ ;)
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper//serially_description.php?senddata=%E5%8F%A4%E6%9B%B8%E8%82%86%E3%81%AE%E7%9C%BC
じつは『図書新聞』でいちばん楽しみにしている連載だったりもする(^-^;)
たとえば、こんなの。

  • 満州・建国大学の破片:物語の破片がこちら側に転げ落ちてくるとき(古書肆の眼)」『図書新聞』(3052) p.〓 (2012.3.3)

141名だから、卒業アルバムは教員分を入れてもせいぜい200部程度しか作られていないはずだ。分厚いものだが、各頁に学生生活を写した紙焼きの写真を一枚ずつ貼っている。少部数ならではだ。

満洲国の建国大学の第一期生卒業記念アルバム」が古書市場(交換会)に出たのだという。
内堀さんは安彦良和虹色のトロツキー』(1992-)に当時はまって、まわりにオモシロイから読め読めと進めていたそうな。
それもあって、かなり思い切った札を入れたそう。

物語としか思っていなかった世界から、どんな回路をくぐり抜けてきたのか、その破片がこちら側に転げ落ちてくることがある。古本屋をやっていると、そんな場面に不意に遭遇する。それがなによりの面白味だ。

いやサ、思ってもいなかった、とゆーか、知識としては知っていた世界から、「その破片がこちら側に転げ落ちてくる」瞬間って、やっぱり、法悦の瞬間なんよ。さっき、コピーなれど、Mさんに上森子鉄の書簡を見せられ、それがなんとメディア史研究史に直結するというオモシロさ。いやーぁ、話には聞いていたが、たのしかったでち。

追記(20120618)

あとで、この卒業記念アルバムは港やさんの目録にでた。