書物蔵

古本オモシロガリズム

めづらしく古書展もないのに阿佐ヶ谷へ

ほんとうなら翌21日に田川さんらと神保町あたりで会おうということになっていたが、田川さんが来れないので急遽、森さんところで会合を持とうということになり、阿佐ヶ谷まで進出す。
途中、本の雑誌4月号を読む。特輯で「一人出版社の時代がきたぞ」とあるが、岩田書院さんの、なくなってしまった一人出版社の列伝が悲壮だ。
殉死:堺屋図書、失踪:高科書店、病死:文献出版
だという。いや、岩田書院さんってば、『地方史文献目録』を年鑑でだしてくれていて、民俗学歴史学徒なら大恩ある出版社だと思うに、その「目録」、最近は刷り部数200部程度であると(奥付にあり)。
このまへ森さんが言っていたが、最近の学者さまがたは文献の読み込みよりもいかに自分のギョーセキを挙げるかに汲々としているように見えるのだそうな。文系の学問できちんと先行文献をリファーしなけりゃあそりゃただの妄想に果てしなく近づいていくというに…(-_ - ;
本の雑誌では、ほかに『出版社経営総鑑2010年版』矢野経済研究所への言及があって、いまユニかネットでしらべると、国会図書館や県立図書館に軒並み、ないということがわかる。ビジネス支援もなにもあったもんぢゃない。こういった灰色文献やキキメ的資料類もなくてどうしてビジネス支援なぞできようか。いやべつに出版産業がそんなに尊いといふんではなく、ないことが課題として認識もされとらんことが問題なのだ。