書物蔵

古本オモシロガリズム

和本の刊行「月」について

おなじ古通で橋口こうのすけ氏がこんなことを書いている。なるへそ。

江戸期の出版では、正月に刊行することが多い。それは縁起を担ぐ面もあるが、、暮れに清算するさいに本替(ほんがえ)によって現金でなく現物で代償することで資金の流れを楽にする側面もあったと考えられる。正月発売といっても暮れのうちに印刷・製本は終えている。実際の出荷はめでたく初荷にするが、伝票上は本替によって処理済みになっている。現金の大きく動く大晦日には、ありがたい仕組みである。

和本が、1月刊行が多い原因は、江戸期の出版社(=書店)の決済システムにあるという指摘。