書物蔵

古本オモシロガリズム

「地域資料論」の先駆者、邦造タン(゚∀゚ )!

オタどんがまた邦造タンの事跡を見つけてきた(゚∀゚ )
中田邦造と民間伝承の会http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20080720/p1
それによれば、中田邦造昭和11年9月ごろに「民間伝承の会」(日本民俗学会の前身)に入会していたといふ*1
町村誌編纂の栞 / 石川縣圖書館協會編. -- 石川縣圖書館協會, 1938
オタどんが引っ張ってきたのは、これの改訂版らすぃーけど、初版がなぜだか手許にあるのでパラパラ見てみると、大正期に「郡誌」はかなり出たので、今度はそれらと異なる種類としての「町村誌」を編纂せよというもの。
いま、ほとんど所蔵が表示されないwebcatの内容細目をひくと

内容: 郷土誌の編纂と記述 / 大藤時彦[著] ; 郷土資料の採集 / 大間知篤三[著]

とあり、二人がかなり細かく、町村誌のあらまほしき編纂法につきて述べてゐるですよ。
あとは柳田国男の序文があるきりで邦造タンの記述はないけれども。
これがそもそも邦造タンが創ったとおぼしき石川県図書館協会からでているということは。
なんとまあ、邦造タン、図書館資料として収蔵すべき地域資料(郷土誌)を、「創る」ところからたきつけちゃっているのだ(゚∀゚ )アヒャ
時、あたかもよし!`・ω・´)oシャキーン
平成の御世に至り、我が国の図書館界において貸出中心主義の行き詰まりを背景に、郷土資料の復権がさけばれるようになってきた。
いま、その宣言文ともいうべき『地域資料入門』をひもとくと、根本先生による概論のなかにサラリと歴史的経緯があって、

図書館においても郷土資料への関心と実践がありました。たとえば、1916(大正5)年には東京市日比谷図書館は郷土資料の収集に着手しました。これは、江戸開府以来の歴史的資料で現在「東京誌料」と呼ばれているものです。(p.20)

と、東京の例のみがあげられ、あとは今井貫一とか佐野友三郎とかの名前があがっているが…
しかして!
昭和前期とはいへ、県レベルでしくみ、各町村に無から有を生じせしめさせ、さらにまた「中央」の「学会」とわたりをつけてしまう展望・実行力など、これはなんともほかのみなみなさまを凌駕するといってもよろしいのではありますまいか!
従来、中田邦造研究は読書運動とか図書館思想とかばかりに光があてられてきたけど、地域資料論提唱者としての側面は看過せられてきたやうに思ふ。

*1:「新入会員紹介」『民間伝承』2(1)に記載ありと(オタどん調べ)。