書物蔵

古本オモシロガリズム

社内報の納本について

平賀末雄「社内雑誌論」『プレスアルト』(51)p.1-6(1942.1)

我国の会社、工場に社内雑誌の現れたのは最近にのことで労働運動の終焉前後に発生したものが殆んどで、アジテーションプロパガンダの武器として持つて居た労働新聞に対抗して出来たものと見る事が出来る。

社内報の納本率について、当時の推測

一般に社外に持出す事を禁止して居る向きが多いから、我々の眼に止まるものは極少部のものしかない訳で、従つて之を一ヶ処に輯める事は殆ど不可能に近く、納本する内務省検閲課でさへ、全部集つて居ないのではないかと考へる。何故なら、社内雑誌の中には社内報、社内通知の範囲のものもあり、之等は極秘であるから納本もせず、勿論出版文化協会にも加入せず、業務用紙として紙を購入して居るもので、所謂統制外に置かれて居るものである。

なるへそ。
で、著者があつめた代表的社内雑誌

マツダ共励」東京芝浦電気マツダ
「歩一会々誌」松下電器産業
「親友」住友金属工業
「明報」明電舎
「満和」湯浅伸銅
「かはさき」川崎重工
「かめあり」日立製作所亀有工場
「鐘紡の汽笛」鐘淵紡績
「鉄鎖」大阪製鎖造機
「関急」関西急行電鉄
「鉄華」大阪鉄工所
「協和」南満洲鉄道
「昭和」昭和製鉄所