書物蔵

古本オモシロガリズム

「図書館業界残酷物語」の必要性

ちょっと前に図書館系ブログで話題になったこれについて
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/machida77/20080316/p1
最初の問題提起自体ってのはそれなりに意味があって(そのあとの論理展開は?だけど)。
とりあえず必要なのは、「図書館業界残酷物語」ではないか。
それもさ。最初の書き手みたいな、<ご自身は正職員で司書課程に出講できるぐらい恵まれた地位にある人>じゃなくってさ。ほんとに非常勤の立場の人が書くとか、あるいは職業ルポライターあたりに書いてもらうとかしてさ。
「図書館業界残酷物語」
てな本があればいいと思うのだ。
JLAとかじゃムリだろうから、エール出版あたりから出してもらえばいい。
一面の真実だと思うよ。
図書館雑誌』は上品すぎて、投書欄ぐらいしか真情を吐露するようなものは載らんし、『みんなの図書館』も『図書館界』も、実情を記述というよりも、かなり左翼チックに類型化されちゃうからなぁ。
もっと、実録風な記述をキボーンじゃ。
ホントなら、問題の発見・記述というのはジャーナリズム第一の使命と思うが、図書館の業界誌はなぜだか不得意だから。
たとえば指定管理者のもとで非常勤司書がどのように働いているのかいないのか、ってなことは、指定管理者そのものに反対な人々には認識できない。
一昔前じゃあ「図書館」なんてもんは「博物館」同様に、本庁にとって流刑地かお休み処みたいなもんだったわけだが、直営館でそんなとこが実際あったということを文字に留めるのもまた良し。
これがフツーの業界誌なら、匿名座談会でもやって、すくなくともなにが現場で問題なのか、おぼろげながらわかるようになろうものを。
そういった下品な企画で真実の一面が明らかになるということも、本当は館界に必要だと思うがの(*゜-゜)
ただ一面だということは注意しないといけない。ほんとうの弱者なんてものは、ぐうの音もでなくよわっちまてるもんで、そんな駆け込み訴えみたいなことはできん。だけど、現代日本みたいにやさしい社会だと、弱者が駆け込み訴えをすることにより、「弱者」となって特権化することがあるから。
正職員が公開公平な能力試験で、非常勤がただの面接だけであれば、そりゃーやっぱりしょうがないとしかいいようがない。もちろんブルデューみたいな文化資本(批判?)もあるけど、あくまでアカデミックな話にしかならんし。

でも「弱者」の特権化にご用心

むかし働いてた図書館で、ほんもののルンペン・プロレタリアに出会ったことがある。ご本人は「自分は一生懸命やっているのに不遇だ」という認識をし、そう公言していたが。傍から見るに、そもそも試験採用でないし(コネ?)、中途採用だし、ローテーションに穴はあけるし、利用者・同僚にはとっても厳しいし、バレバレなウソはつくし、もう大変なものであった。
その前にわちきが働いてた警備会社も、人生の吹き溜まりっぽくて、地方で失敗して上京した人とか、わけわからんオジサマ沢山だったけど、あんなに首尾一貫してどーしよーもない人というのもめずらしかった…(*゜-゜)
ただ、そういった「弱者」が騒ぐとクミアイってもんはとりあげざるをえなくて、それがまたクミアイ離れをまねいたりしてはちゃめちゃに。
まぁ、そーいったこともあるから。