書物蔵

古本オモシロガリズム

「産別」ですよ〜(かきかけ

専門職運動が労働運動とごっちゃになって失敗した日本図書館界(薬袋説)…
労働運動といえば「クミアイ」なわけで。官公労とか単組とかあるわけだが…
館界にも産業別労働組合があったのだ(×o×)
ということを知ったのは、『図書館情報学ハンドブック(第1版)』(1988)を通読した大昔であった…

全日本図書館組合(全日図;1949-?)

これはめずらかなるネタ。
産別、ったって若い人にはわからんか。

労働組合の形態のひとつで、産業別労働組合の略称。同じ産業で働く労働者同士が企業の枠をこえて横断的に団結して、労働条件の水準を引き上げることが目的の組織。自動車総連、電機労連などがあり、春闘のさいには産別ごとに統一要求を提示し、統一行動をとることで経営側に圧力をかける戦術をとる。(www.iza.ne.jp/)

で、図書館にもこれがあったというわけ。
途上学ハンド第1版で読んで以来、ふしぎなもんだなぁと思っていたんだけど、ごく最近、どこぞの大学の修論でそんなんあるとググって知った。しかしこの全日図(ぜんにっと?)、最初は意気盛んだったけど1、2年で急速にしぼんじゃったんじゃなかったっけ。史料・証言もほとんどなかったはず(゚〜゚ ) いちど調べて、これは材料不足でチョーオモシロなのに論文にはならんな、と思ったこともある(だからもし論文として成り立っているとすれば、ぜひ活字として公刊すべき)
この件で(公刊された限りで)イチバンきちんとしてるのは、モリシン(後藤さんであった)さんの、上記ハンドの部分。
「9.5.7 職員組合」『図書館情報学ハンドブック(第1版)』(1988)p.892-894
もしほんとうに修論として成り立ってれば
全日本図書館組合第一回全国大会
(文献)
全日本図書館員組合の記--図書館員の産業別労働組合 (図書館の労働組合は今<特集>) / 森崎 震二
みんなの図書館. (通号 105) [1986.02] p54〜58
わちきがモリシン偉いなぁ、と思うのは、自分の価値観(労働運動=正しい or 労働運動と専門職運動は両立しうる)とは別に論理をきちんと展開しているところ。労働〜と専門職〜は両立しないという論理もありえることを示しているし、さらには米国では(わちきにいわせれば)きちんとALAがそれを退けたということを文献根拠をしめしながら記述している。