書物蔵

古本オモシロガリズム

ひさしぶりに武居権内

上記は,論争形式をとった図書館言説としてはごく初期なのではあるまいかと思い,久しぶりに武居の本をまじめによんでみる。
日本図書館学史序説 / 武居権内著. -- 早川図書, 1960
めでたき開館式は明治39年3月20日。『図書館雑誌』の初号は明治40年。日本最初の図書館専門誌『東壁』(関西文庫協会)は明治34〜35年だけしか出なかったから,『東壁』でめだった論争がなければ,これが日本初の図書館論争になるかも。
いま『東壁』の復刻をぱらぱらみるも,ありそうにない。
一方で,武居も,一見したところ主記入論争よりまえに論争があったようにも書いていない(あらあらに見たかぎり)。
すると,やっぱり

近代日本図書館論争は,セキュリティー論争にはじまった

といってよいかも(`・ω・´)ゝ
ちなみに日本図書館論争史の前半のネタ本は武居さん。
きちんと,読書会の自由論争(1943)があったのでびっくり(×o×)
武居さん,ちょっと分析がアマイんだけど,論点をひととおり出してきてくれるのはアリガタイの極み。

追記9/1 読書会の自由論争

うんうん、この暗黒で真っ黒くろすけだったはずの戦時中でも、それなりに論争が起きていたという。
それでこの、読書会がらみの論争、実はもうちっと前から、戦後有名になったある人も参入して、もうタイヘーン(おもしろい)。