書物蔵

古本オモシロガリズム

みんな読んでるからわちきも

PR誌『未来]の四月号はジュンク堂の中村副店長がでてきてるので人気。オタさんとかGCWさんとか。
わちきも読んでみた。
おもしろいことが断片的にだけどいろいろ。(多分に,この副店長の前の職場,リブロの例だけど)

什器も自分で設計して特注しました。お客さんの動きを基点として,たとえば二五センチの足の帆とが蹴込みに入ったときの両目で見る幅,それで帆立の幅が決まっている。普通は九〇センチなんですが,確か七七五ミリだった。

なるへそ。
図書館用語でいう「一連」の幅は3尺でなく75センチがよろしいということですな。

趣味書でいえば,女性が立っていても男性はその奥に入っていけるけれども,若い女性はおじさんが立っている通路は通りず[ママ]らいですから,手芸書などの女性向けの本は手前に,囲碁将棋などの男性向けの本は奥にする。学習参考書だったら小学生は中学生のいる通路には怖くて入れませんから,小学生の学参と中学生の学参は向かい合わせではなく,什器を隔てて背中あわせにする。

なーるへそ。性役割分担の固定化とか年齢差別だとか,プロ市民は怒るだろうけど。「売れるというのは最低限の必要条件,モラルなんです」という言葉が最後にある。
話は公共図書館の配列にとぶけど,よく,NDCの配架順はおかしい,といわれるが,そんなのあたりまえ。あれは昭和初年の学問分類なんだから。NDCそのものは悪くない(古いだけ)。それの利用者別にセグメント化された別バージョンなどを開発してこなかった分類委員会や協会へ問題提起しなけりゃ。

インタビュアー「(権威ある定番本などがなくなってきているが)商品として,本がジャンクになればなるほど書店や書店員の演出機能,リファレンス機能などが必要になってくるという状況がありますね。」
それはそうですが,そいういった書店員を育成する体力が,残念ながら書店になくなってきています。これはこの業界だけの話ではないと思いますが,マニュアル化することによって職員予備軍を切り捨ててしまいました。でも,いま私がやっているようなことはマニュアル化できないんです。

このまえ改革派図書館学者が門下省から出した提言。あれ,端的にいって「貸出からレファへ」のすすめなんだけど…
ここ数十年,にこにこバーコード(貸出)路線でやってきて,もうレファレンスするような人材はいなくなってしまったんじゃないかなぁ。
「これはこの業界だけの話ではないと思いますが」って,図書館業界もそうだと思うよ。

次にやらなければいけないのは「コンピューター書」としてくくられているものをいつ解体するか,ということだと思っています。コンピュータの本,どいうことでまとまっていますが,音楽の打ち込みについての本は「音楽」じゃないの?いまコンピューターを使わないデザインってあるの?じゃあ「デザイン」の棚に,画像系の本がなくていいの?ということです

(・o・;)ホヘー これって図書館での分類の適用(における重要な論点)そのものだよ。
いまじゃあ,TRCかNDLがつけた分類標目をとりこむという形でマニュアル化されたから末端図書館員はどーでもいいかもしらんけどね。
なるほど,選良書店員は経験的に図書館分類の論点に到達していたということだね(ってここらの話は日本語の論文になってないねぇ。それにつけても分類委員はなにをやっておるのか…)。