書物蔵

古本オモシロガリズム

ペンペン草も生えていないかと思ったら! フワイルの戦前本!

友人Aはわちきの古書道(古書・道ね。書道でない)の先生。
この人はねー,すごいのよ。
薄モノの達人。
背表紙がない薄い本・雑誌をつり上げるのがうまい。このまえも高円寺で図書館論の載った戦争直後の雑誌を買っていたし。
あと,本を見つけて手をだすまでの手の早さときたら!
まるで百人一首のよう。昨年のILLUMS館でわちきは見たのだ。
その彼が行ったあとだから,高円寺の古書会館は(わちきにとって)ペンペン草も生えておらんだろーと思いつつも,がまんできず,行く(^-^;)
〜〜〜
本の量は結構あった。棚も埋まってる。これは足したのかな?
がんばって悉皆調査。もう古書展では悉皆しかないのぢゃ!
すると…
床に投げ出されてあった茶色い函の本に「書」の文字が!!!
ありました! 仮性図書館本!
文書整理法の理論と実際 / 淵時智. -- 同文館, 昭和7
300円!
3000円でも買ったと思うよ(^-^*)
こーゆーことがあるから,古書会館がよひの深みにはまるんだねぇ…
パラパラめくると…

第七章 論題整理と分類原則
標準論題整理 ドユウエー十進分類法 ブラツセル分数[ママ] カツター分類 米国議会図書館の分類 エリオツト分類 誰が分類を作るか 分類上の五原則(以下,略)

すごい!!!
ドユウエーって,誰か知ってるよね,図書館員ならば!
Mervil Deweyだよね。当世風には,メルヴィル・デューイ十進分類の生みの親ぢゃ!
なんとまあ,事務管理の世界でも戦前,米国図書館経営法のキモが紹介されていたとは。(ブラッセル分類は,どうやらUDCのことらし)
でもこれらほとんどは,

図書館には実に優秀なるシステムであるが,普通の商用文書又は商用切抜フワイルとして,考ふることはでき得ないのである.(p.85)

だって(^-^*)
フワイルとは! おとらくfileね。
「分類上の五原則」ってとこには,

或る類概念を種概念(区分肢)に区分するには,一定の見方,所謂区分原理(The Principle of division)によらねばならぬ。(中略)区分をなすに当つて,守らねばならぬ法則は,… 2 区分の原理は唯一つでなければならぬ。(後略)

って,いまの分類法の教科書と同じことが書いてある。
いまndlopac見たら,著者についての論文があるみたい(×o×)
淵時智の文書整理 / 福永 弘之 レコード・マネジメント. (通号 32) [1997.01]
世の中には奇特な方もをるもんぢゃのう。