書物蔵

古本オモシロガリズム

 平凡社新書・満鉄調査部を読んだ

めずらしく本を読了。最近,買ってばかりで読み通すってことをしてないから(^-^;)
うーん,読後感としてはちょっと粗い感じ。字が大きいせいか,主題のおおきさのわりに字数がすくなすぎかな。
後藤新平の創設した初期調査部が,そのまま大調査部へ直結したわけではないことなどは勉強になったし,戦時中の満鉄調査部事件なども概略は。うん,でも調査部事件だけにしぼったほうが新書として成功したのではとも思う。
もうちょっと補助線をかきこんでくれないとわからないかなーって感じ。
図書館がらみでは,p.31の満鉄調査関係機関の系譜に大連図書館がでてくるのと,p.34の,東亜経済調査局でやってたチース博士式カード分類法,それから結局,戦後ソ連が散逸させちゃったオゾ文庫くらい。そういえば,資料の整理方式は,山田豪一の日経新書くらいにしか書いてないんだって,しばらく前の古本合戦で聞いたなぁ。
敬友ピラ友さんが,草柳大蔵が言及されてない,とスルドイつっこみを入れてたけど,うーん,単に忘れたというよりも,きっと著者は草柳著をあまりかってないのでせう。なんども言うけど「語られていないこと」に意味はあるもんす。
巻末の参考文献のいくつかは最近買ったり,読んだことがあったりとかしてオモシロし。
伊藤武雄『満鉄に生きて』とか,先週,ほんと偶然買ったばかりの枝吉勇『調査屋流転』とか。でも,岡崎次郎マルクスに凭れて六十年』も読んだことあるよ。数年前,書評誌『ダヴィンチ』で呉智英が紹介してたんだけど,当然?絶版。そしたら,友人Aが貸してくれた。なつかしいなぁ。