書物蔵

古本オモシロガリズム

図書館情報学とは包丁の学問なり

また飲んだ。そこで持論を展開。まー同じ話題の繰り返しですが(笑)。老いの繰り言
あまり耳慣れないコトバですが,補助学というコトバがあります。オーグジリアリー・サイエンス。
たとえば,考古学は歴史学の補助学として機能しています。
ゆーめーなところでは,「哲学は神学の婢(ハシタメ)」という西洋中世の格言?がありますが,これなぞは,(当時の価値観のもとでは)神学の補助学として哲学があるよ,という意味ですね。
まぁ,考古学をやった人に「考古学は歴史学のハシタメ」と直接言って怒らせてしまったひともいましたが。そのような物言いはともかくも,本質的にはそんなに間違っていないと思います。
まー,何が何の補助学なのかは,考古学と歴史学みたいな割と固定的なものから,たとえば法制史と文学(例.『徳川時代の文学に見えたる私法』)みたいにアドホック(一時的)なものまであるわけですが,どこまでいっても補助学でしかない学問というものがあります。
それが図書館学(bibliothekswissenschaft)とか図書館情報学(library and information science)とかいうもの。諸学の補助学。
まぁ,諸学問からみれば,「図書館学は諸学の婢」だ…
ってゆーから,図書館学プロパーの人と仲良くなれないんだよなぁ。文献リストやコピーをとるのがなぜに学問になるのか? って,やっぱフツーの人なら思いますよ。
で。
ちょとフォローしてみます。
諸学からみたらそうなるけど,はたからみると,包丁なんですよ。
どんな料理をつくるのにも,包丁とかまな板とか使うでしょ。
どんな学問するのにも,文献操作は必須ですよね。
それと同じ。
包丁がなまくらでも,なんとか料理はできる。けど,いい包丁のほうが,手早く見栄え良くできるよね。
野菜を切るには菜切り包丁がいいし,刺身には刺身包丁が望ましい。おなじ刺身包丁でも,大量生産品より,できれば銘入りの手作り包丁のほうがいいでしょ。
どんな包丁がいいのかを研究する分野があっていい。
それが図書館学なわけです。
だから,他の,補助学でない学問をやった人でないと,図書館学では大成しづらい(例外はあるが)。料理つくったことない人は,包丁の善し悪しのことよくわからんでしょ。
米国で,学部じゃなくて修士課程で司書を養成するようになったのは,そーゆー必要性もあったと思うぞ。
結局日本ではそうはなんなかったけどね。これについては再論しますが,また,関係者をおこらせるようなこと書いちゃうだろーなー。
飲み会で「あなた図書館情報学の人でしょ」と言われ…
よくそういわれるんですが,ちがいます。私はやっぱり日曜歴史家,愛書家なんですよー