書物蔵

古本オモシロガリズム

内田魯庵

ネットで注文したのがきた。わーい。
紙魚繁昌記 / 内田魯庵[他]. -- 覆刻. -- 沖積舎, 2001.12
紙魚繁昌記. 続 / 内田魯庵[他]. -- 覆刻. -- 沖積舎, 2001.12
2冊で4000円,安いー! 定価はそれぞれ6800円だのに…
まーカラクリはこうです。外箱にマルBのハンコが押してあるから,ゾッキ本だったわけで,それを古本屋さんが安ーく仕入れたんで安ーく売っていたんでしょう。
ゾッキ本ってのは,一説に語源が「殺ぎ本(そぎぼん)」で,見切り本というか,不良在庫として処分される本のこと。日本特価書籍(神保町)などの特価本屋(とっかぼんや)に並びます(他にも数軒あるけどヒミツ)。これが一時期ゾッキとして出まわったことは友人から聞いてたけど,やっぱ本当だったんすねぇ。
パラパラめくってみたけど,続のほうがよりオモシロそ。古書目録論とかあるし。趣味としての古書蒐集の話もある。なかなかに穿った見方をしていそう。
本の蒐集をする場合もとより本を読むものとしてあつかうことでは不可能だ,読まずに眺めるという非功利的な観点が必要だと宣言している。むむー,至言なり。
この紙魚繁盛記をみて思うのは,昭和前期の日本というのは文明の利器や文明の精華がひととおりなんでもある世界だったのではないかと。
もちろん田舎にはあまりなかったのでしょうが,都市部や満州の日本人はひととおりのものを享受していたのではないかと。
図書館とか古書の通販とかいろいろ。戦前のある図書館本を読んでいたら,電氣集塵機のことがでてきました。書庫の掃除にうってつけなのだそうな(笑)。そーか,掃除には電氣集塵機をつかえばいいのかー,勉強になたよ。世のご婦人方,これはご家庭でも使えそうですぞ。おすすめします。
書物論なんかも案外,魯庵の変奏曲を半世紀以上やってきたのかもしれませんね。それをこの本で確かめてみようかと。
外箱にさらにカバーと帯がついていて,帯に坪内祐三の文句が。魯庵は根っからのモダニストなんで古びないとあります。