書物蔵

古本オモシロガリズム

 フローとストック

図書館の文献提供を,経済学的にフローとストックになぞらえたのは,東大の根本彰氏の本が初見でした。それがどこまで実証的に語れるかはともかく,たとえとしてナルホドです。
コレクションの形成と管理 / 三浦逸雄, 根本彰共著. -- 雄山閣出版, 1993. -- (講座図書館の理論と実際 / 岩猿敏生, 長澤雅男, 丸山昭二郎監修 ; 第2巻)
書店では,新刊と出版社の在庫しか手にはいんないですからねぇ。これがフロー。けど,どんな学問・趣味をやるんでも,それだけだと,すごーく薄っぺらな底の浅いもんでおわっちゃう。つまらないし,結果としてまちがえることもしばしば。
で,古書店と図書館が,フロー以外の図書を提供してくれるわけです。これがストック機能。ただ,フローとちがって,手間ヒマかかるんすが。
ただフロートとストックってのも程度問題で,実は,どの場所にもストック機能はあるんす。書店にも棚ざしの在庫はあるし,出版社の倉庫にもある。要するに,古い本をどれだけ寝かせられるかってこと。書店は数ヶ月,出版社は十数年,古本屋と図書館は数十年,ってとこかな。