書物蔵

古本オモシロガリズム

 古書の流れ 日本と欧米で逆

ある人と話していて,こんな話が。「海外では古書の流れ方が日本と逆。日本では,古書店→図書館だが,海外では図書館→古書店である」と。なるほど。だからわても数年前,
Protecting the library and its resources, a guide to physical protection and insurance; report on a study conducted by Gage-Babcock & Associates, inc.. -- Library Technology Project, American Library Association, [1963]. -- (LTP publications ; no. 7)
を買えたんすね(ネットで)。ぜんぜん読んでまへんケド,この立派なハードカバーの本をみるたびに,偉大なアメリカ文明,偉大なる米国図書館学への驚嘆のココロがつのります……(ホント?)。メリケン人ってのはホントふしぎです。ナント1950年代に「図書館テクノロジー・プロジェクト(LTP)」ってのがあったんだから!情報テクノロジー(IT)も裸足で逃げ出す…(笑)
この本をある大学の書庫でみた時「ああ,すべて考えられるべきことは,ひととおり考えられていたんだなぁ」と。西洋古典古代のまえにたちすくむ中世スコラ学者みたいな気分になりました。工学的技術環境はまったく低かったにもせよ。あとは各論を技術革新にあわせてリファインすりゃーいいだけだす。たしか酸性紙問題にも,この図書館テクノが絡んでいた憶えが。
ちょうどバーナード・ブッシュのメメックスを大学でならったときのオドロキに似てました。その当時でも,メメックスはSFでしかありませんでしたが,いまでは,老いも若きも使ってますねメメックスメメクラゲじゃないよ。
図書館全体を読書装置としてとらえる発想,それだけなら詩心が多少あればできちまうんだけど,それをレトリックにおわらせず,ほんたうに装置としてきちんと運用しようとするココロ。
こりゃーなんなのかねぇ。やっぱ哲学の問題?
この図書館テクノ本,たしかに廃棄本でございした。値段も,2千円ぐらい。やっすー
日本では考えられないことだよ。古い図書館本は趣味であつめてますが,それでも図書館廃棄本の割合はとても低い(1〜2割か)。図書館本でさえ割合がひくいってことは,欧米のような図書館→古書店ってのがあんまナイって証拠になりやす。